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21. 恐怖のホテル
姉歯建築設計事務所の問題は、拡大する一方である。毎日のように構造計算が偽造されたホテルやマンションが報道される。一般市民にとって、不動産は一生で一番高い買い物であろう。5,000万円も出して買ったばかりのマンションが、震度5程度で崩壊の危険性ありと分かったら、その衝撃は察するに余りある。金銭面の問題だけでなく、この瞬間にも地震が発生したら生命の危険さえあるのだ。生活基盤が不安定では、健康で文化的な生活を送ることはできない。
まるで他人事のような姉歯氏の態度や、居住者の神経を逆なでするようなヒューザーの態度を見ると、まるで関係なくても腹立たしい。 行政機関やイーホームズなども無責任であり、こちらもまるで関係なくても腹立たしい。と、思っていたところ、なんと僕も関係していたようなのだ。
ニュースを見ていたところ、「 エースイン松本 」というホテルが営業停止になった旨が報道された。事実関係の解明と建物の安全性が確認出来るまでの間、一時営業休止とのことである。そのとき、ホテルに見覚えがあることに気付いた。
ひょっとしたら、僕が泊まったホテルではないだろうか。
2004年9月11日、僕は松本に宿泊している。目的はもちろん 松本城 である。その日は朝から小諸城→上田城→松代城と見学してから松本に宿泊し、翌朝松本城→ 高島城 と見学した。
このとき、確かに松本駅前のホテルに泊まっている。エースイン松本のHPを見ると、場所も合致しているような気がする。何か証明するものは無いか探してみたが、残念ながら見付からなかった。カードの支払履歴を見てみたのだが、カード会社のホームページでは半年分くらいしか履歴が残っていなかった。
証明する手段が僕の記憶だけというのはもどかしく、100%の自信はないのだけれど、おそらく僕はあのホテルに泊まっている。もし2004年9月11日に震度5強の地震が発生していたら、こうしてHPの更新など出来なかったのかもしれないと思うと、恐ろしい。
江戸時代より前に建てられた木造の城が現存しているというのに、最近建てられた現代建築が崩壊の危険性あり、というのは洒落にもならない。最近は地震が頻発していることもあり、死傷者が出る前に解決して欲しい、と思う。
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