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24. 熊本土産
当ホームページを永年ご愛読いただいている読者の方はご存知と思うが、僕は家事の能力が一切無い。大学卒業まで実家で暮らし、その後は会社の寮に住んでいたため、家事をする必要がなかったのだ。
昨年6月末に会社の寮を年齢制限による強制退寮で叩き出され、やむなく一人暮らしを始めた。生まれてこの方家事など一切しなかったわけだが、やむを得ずすることになった。洗濯機も買い、掃除機も買った。風呂場だってカビが生えないようちゃんとケアしている。このページを両親が読んだら、きっと涙するに違いない。
そんな僕が今まで敬遠してきた家事が料理である。朝は電子レンジで2分温めるご飯とインスタントの味噌汁(あさげなど)、それに納豆や鮭フレーク、ごま塩といったところだ。昼食と夕食は外食である。持っている調味料は醤油のみ。持っている調理器具は果物ナイフのみ。皿すらない。男一人だとご飯を炊くのも面倒くさい。
そんな僕が、保存用容器とまな板を買った。その理由をご説明したい。
容器とまな板
2006年10月21日(土)より25日(水)まで、僕は熊本に出張していた。土日の両方が潰れてしまったが、それもサラリーマンの宿命である。
出張先は熊本から車で1時間ほどのところだったため、今回の出張では 熊本城 どころか熊本市の中心部に行くことすら出来なかった。
25日(水)の空港でのこと。午前中出張先で仕事をしてから羽田に戻り、それから出社である。週末も働いたこともあり、さすがに疲れもストレスも溜まっている。空港でチェックインした後、買い物をすることにした。
熊本の土産といえば、球磨焼酎である。搭乗口そばの売店に行ったところ、その店の売上1位は鹿児島の芋焼酎に譲っていたが、2位は「 鴨の舞 」という球磨焼酎であった。
球磨焼酎「鴨の舞」
「鴨の舞」のパンフレットによると、「ウィスキーといえばスコッチ、ワインといえばボルドーというように世界の銘酒には産地名がついています。古い歴史と伝統を持った球磨焼酎がまさに世界の銘酒となりました。」とのことである。
さらにパンフレットによると、「鴨の舞」の米はアイガモ農法によって育てられているとのこと。気になってアイガモ農法について調べてみたところ、素晴らしいものであった。
アイガモ農法とは、水田にアイガモを放して、稲を育成する農法である。
1. アイガモが雑草や害虫を食べてくれるので除草剤が不要。すなわち無農薬栽培となる。
2. アイガモが足で泥をかき混ぜることにより、水田内に酸素が供給される。
3. アイガモの糞はそのまま肥料となる。
4. 稲が穂をつけるころアイガモは水田から引き上げられ、鴨肉となって天寿を全うする。
「鴨の舞」を飲むからには、それに相応しいおつまみも買わねばならないであろう。売店を見ていたところ、気になる商品があった。見るからに辛そうな「 暴れ辛馬 」である。馬が暴れたら、手を付けられまい。辛いタイ料理が好きな僕のハートをがっしりと捕らえた一品である。
さて、「暴れ空馬」はおつまみとしては、やや量が多い。十分主食になりうる分量である。とても1日では食べきれない。しかも切らなければならない。
僕が持っていた調理器具は果物ナイフのみなのだが、これはリンゴや梨の皮むき専用であった。今回初めて馬肉という果物以外のものを切るために使用されることとなった。暴れ辛馬を切るためにまな板まで買った。暴れ辛馬自体は1,050円なのだが、付随する費用が意外にかかってしまった。
暴れ辛馬
早速果物ナイフで「暴れ辛馬」を切る。皿が無いので、容器に入れた。食べ残した「暴れ辛馬」はそのまま冷蔵庫に入れるという算段である。
出来上がり
テーブルが整理されていないのは
見逃していただきたい。
「鴨の舞」を一口飲んで、その美味しさに驚いた。さすが球磨焼酎。今まで百年の孤独や森伊蔵、佐藤なども飲んだことはあるが、それらを凌駕する美味しさである。「鴨の舞」に感動しつつ、「暴れ辛馬」を口に入れる。
美味しすぎる。
ワインではマリアージュというそうだが、あまりにも完璧な組み合わせに自画自賛してしまった。次に熊本出張の機会があったら、絶対に「鴨の舞」と「暴れ辛馬」を購入する。そう決意した秋の夕暮れ。
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