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. 東京マラソン観戦記

 2007年2月18日(日)。
 本日第1回東京マラソンが開催された。30,000人の定員に対し、全国から90,000人が応募したそうだ。弊社の先輩男子1名と後輩女子1名が抽選に当たって出走することとなったため、応援に駆けつけた。

 僕も一応市民ランナーであり、毎年5月末の山中湖ハーフマラソンには入社2年目から昨年まで13回連続して出場している。入社して配属初日の就業時間後、一つ上の先輩(Sさん)が、僕をある先輩(Oさん)のところに連れて行った。

S : 「Oさん。今年の河口湖マラソンを走るのはこいつです。」
O : 「そうか。一緒にがんばろうな。」

 この人たちは何を言っているのかと思ったが、実際にその年の11月末、河口湖フルマラソンに僕は出場した。制限時間オーバーの5時間45分という記録であった。その後3回フルマラソンに出場したものの、さすがにきついので10年ほどまえにフルはやめたが、ハーフにはちょくちょく出場している。それほど熱心なランナーではないので、全然タイムはよくならない。

 今回僕は出場を見送ったのだが、当社の熱心な社員が5名申し込み、うち2名が出場の運びとなった。



 午前7時45分。新宿駅に着いたところ、ランナーとサポーターでごった返している。昨晩から降り続く雨はいっこうに弱まる気配がないどころか、かなり強い降りになっている。ランナーの体温が容赦なく奪われるので、過酷なレースとなりそうだ。
 スタート地点はランナー以外立入禁止のため、2人の写真を撮ってから新宿駅に向かった。

スタート地点そば
左側のビルが都庁

 スタートからすぐのところで観戦ポイントが有ったので、スタート20分前からそこに陣取った。雨の降りしきる2月の朝に、傘を差して20分も待つというのはかなり辛いものだ。いっこうに時が過ぎない。
 やっと先頭が来たと思ったら、怒涛のようにランナーが押し寄せる。30,000人というのはすごい人数である。歩道橋の上から見たら圧巻であった。「立ち止まらないでください。」という役員を無視して撮ったのが下の写真である。

500メートル地点?

 新宿から丸の内線に乗って、霞ヶ関駅で下りる。日比谷公園は混んでいると思ったので、内幸町まで出た。ランナーは新宿から靖国通りを走って飯田橋駅まで出て、皇居・日比谷公園を過ぎて品川まで行き、また日比谷まで折り返す。したがって、日比谷にいれば往復の2回応援することができる。

 それにしても、30,000人というのは想像を上回る人数であった。全然人が途切れない。その中から2人を見つけ出すというのは至難の業である。なかば諦めかけていたところ、反対車線から「有森がんばれ」という声が聞こえた。つまり、当社社員2名がやっと10kmを過ぎようというときに、有森裕子は20kmを超えていた。有森裕子の姿を、この目で見ることが出来た。バルセロナ五輪銀メダル、アトランタ五輪銅メダルの有森裕子はこれが最後のレースである。2時間52分45秒で5位に入り、有終の美を飾った。

 有森裕子が通り過ぎた後に、「虎羽さん。」と声をかけられた。なんと走っている2人に先に見付けてもらった。

約10km,20km地点
内幸町 新日本石油前
イチローも見守っている。

 最初は上の写真の反対側の車線で観戦し、2人が通り過ぎてからこちら側の車線に地下道を通ってきた。2人の走力なら1時間以内で確実に戻ってくる。そう思って沿道で応援していたのだが、やはり1時間は長すぎる。品川まで応援にいけばよかった、と後悔した。

 1時間ほどして2人が走ってきた。僕を見つけて先輩社員が言った。

「虎羽。ウィダーインゼリーを買ってきてくれ!!」
「じゃあ、この先で渡します!」

 なにしろ相手は走っているのだから、待ち合わせ場所を決めるような悠長なことはしていられない。ウィダーインゼリーを買って、2人に先回りをして、なるべく早めに渡すという難しいミッションを遂行することになった。

 慌てて僕は新橋駅から銀座線に乗り、日本橋駅に向かった。

23km地点
日本橋 左のビルがコレド日本橋

 まさにドンピシャのタイミングで先輩を発見。見事ミッションに成功した。
 「あれ、Tさん(後輩女子社員)は?」
 「先に行った。」
 なんと、後輩女子社員を見逃してしまった。早速僕は日本橋駅から浅草駅に向かう。浅草はなんとなく遠いイメージがあったのだが、日本橋から5kmほどしかないことが分かった。2人の走力では5km30分未満。かなり焦って浅草駅に向かった。

28km地点
浅草駅 左が神谷バー

 今回は後輩女子社員も発見。声をかけることができた。先輩男子社員には、もう一つウィダーインゼリーを渡すのにも成功。我ながら見事なサポーターぶりである。

 浅草駅から銀座線で銀座駅まで戻った。この時点でやっと雨が上がった。

34km地点
服部時計店(現・銀座和光)

 今回も後輩女子社員を発見したものの、15分ほど待っても先輩男子社員は来なかった。このままでは後輩女子社員のゴールに間に合わない。先輩男子社員に心の中で謝って、有楽町線で豊洲に行き、ゆりかもめに乗って有明ビッグサイトまで急いだ。

 国際展示場駅を抜けてビッグサイトに着いてから、ゴールまでがものすごく遠い。走り終わったランナーが向かい側から歩いてくるので大混雑である。ひょっとしたら、もうゴールしてしまったのではないか。
 なんとかゴール地点の観覧席までたどり着いてから5分もしないうちに後輩女子社員を発見。ゴールした後に握手を交わすことが出来た。その後、先輩男子社員も無事にゴール。当社社員は2名とも完走することが出来た。

ゴール地点観覧席

 レースに走ったことはあっても、応援したことは初めてだったので、よい経験であった。それにしても、一人のランナーを見つけるのは難しいということを実感した。計算では間に合うはずだけれど、ひょっとしたら通り過ぎてしまったかもしれない、と思いながら人を探すというのはストレスを感じるものだ。
 今日は移動の電車以外は、僕もほとんど立ちっぱなしである。レースには参加しなかったが、足にシップを貼って寝ることとしたい。



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