このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
28. 石油問題に関する考察
7月の3連休は旅行することが多いのだが、今年はちょうど真中の20日(日)に試験が有ったため、どこにも行かなかった。
試験の名前を環境社会検定試験、通称 「eco検定」 という。今回で4回目なので皆さん存じ上げないかもしれないが、主催は東京商工会議所という由緒ある試験である。エコロジストになったわけでもなく、性格的にマイ箸を持ち歩くことは一生無いと思うが、業務上知っておいたほうがいいと判断した。合否の通知が来る前に試験を受けたことを公表する僕の勇気を称えてほしい。そして、僕が合格したら、ぜひ僕のことを敬意を込めて「エコピープル」と呼んでほしい。
ところで、試験内容には当然石油問題が含まれる。公式テキストによれば、石油の確認可埋蔵量は1兆2007億バーレル、これを年生産量で割って算出した可採年数は41年である。ちなみに天然ガスは65年、石炭は155年、ウランは85年である。
僕は今38歳独身(泣)なので、41年後には79歳。その歳まで生きているか微妙ではあるが、石油の最後を見届けることができるかもしれない。今後BRICSを中心に石油消費量は増大するはずなので、可採年数はもっと短くなると考えてもいいであろう。
ここで僕は違和感を覚える。
41年後に石油が無くなるのに、高速道路を整備する必要が有るのだろうか?
必要な道路は整備するというのが政府の方針だが、41年後に自動車が走らなくなるというのに、税金を注ぎ込むのは無駄ではないか。整備が完了する頃には石油が枯渇するかもしれない。
全ての自動車が、ハイブリッド車や、石油を消費しない燃料電池車や電気自動車に切り替われば、道路は無駄にはならないであろう。雑誌で読んだが、三菱自動車の益子社長は社長車を燃料電池車に切り替えたそうだ(詳細は こちら )。これにより今後の三菱自動車社長は半強制的に燃料電池車に乗ることになるが、それも止むを得まい。三菱自動車だけでなく、ぜひ官公庁も積極的に採用してほしい。ちょっとくらい代金が高くても、税金の無駄だとは誰も言うまい。
また、トラックやバスなどの輸送機関も電化を進めてほしいものだ。
次に自動車以外の交通機関も考えてみたい。
鉄道は、まずディーゼルで走っている路線は電化すべきであろう。そして火力発電所は役に立たなくなってしまうので、原子力発電所が中心にならざるを得まい。それとともに太陽光や風力による発電も一層進めるべきであろう。
僕が気になるのは船と飛行機である。船は、帆船もしくは手漕ぎや足漕ぎのボートが石油を使わずに動く。飛行機の代替手段は気球や飛行船だろうか。
島国の日本は、食糧・資源の輸入や商品の輸出に船と飛行機は不可欠である。船と飛行機が動かなければ、米以外の食糧が不足する。多くの企業は倒産する。それにしては危機感が無いと思うのだ。 ハイブリッドタンカー が建造されたらしいが、日本の造船業界は、このような技術開発をもっと進めてほしい。それが日本の安全保障である。
そしてもう一つ不思議なのは、アメリカ、ロシア、中国などの軍事大国がなぜ静観しているのだろうか、という点だ。石油が無ければ戦艦、空母、戦車、戦闘機は動かない。強大な軍事力を背景に行動する軍事大国が、その力を失おうとしているのに何の対応もしないというのはおかしいではないか。
このように書いてみると、石油の可採年数が41年など誰も信じていないのではないかという気がしてくる。温暖化に比べて石油の枯渇が実感しにくいのは、このようなところに原因があるのではないか。だからと言って、「何もしなくていい。」というわけでは決してないけれど。
<追記>
eco検定に無事合格しました。日テレの西尾アナも合格したとのこと。
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