このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


31
. 北朝鮮の借金帳消要請に関する考察

 2010年8月20日。Yahoo!で次のような ニュース を発見した。

負債の90%帳消し要請=北朝鮮、ハンガリーに—英紙
8月20日5時39分配信 時事通信

 【ベルリン時事】英紙フィナンシャル・タイムズは19日、北朝鮮がハンガリーに対し、負債の90%以上を帳消しにするよう求めたと報じた。
 同紙によると、北朝鮮は2008年11月に平壌で開かれた協議の場で要請した。ハンガリー政府当局者は同紙に「北朝鮮は厳しい経済状況を考慮し、帳消しに応じるよう求めた」と語った。
 北朝鮮はチェコに負債の一部を朝鮮ニンジンで返済したいと提案したが、ハンガリーにはこれまでのところ、同様の申し出はないという。 

 要するに、借金棒引きである。ハンガリーが北朝鮮に何を売ったのか、それとも金を貸し付けていたのか不明だが、与信判断にミスが有ったと言わざるを得ない。金額も不明だが、支払えない規模なのだから、結構多額なのであろう。
 この問題の解決策として、我ながら名案を思いついたのでご披露したい。

<プロセス>
1.現在、ハンガリーが北朝鮮に債権を有しており、債権回収でトラブルが生じている。

ハンガリー → (不良債権) → 北朝鮮

2.日本が両国の間に入る。

ハンガリー → (不良債権) → 日本 → (不良債権) → 北朝鮮

3.日本が北朝鮮から不良債権を回収する。先に回収すれば、貸し倒れリスクはない。

ハンガリー → (不良債権) → 日本 ← (弁済) ← 北朝鮮

4.日本がハンガリーに債務を弁済する。

ハンガリー ← (弁済) ← 日本 ← (弁済) ← 北朝鮮

 要するに、借金の肩代わりである。ハンガリーは日本から現金をもらうことにより債権を回収できるし、朝鮮ニンジンよりも現金の方がベターなはずだ。おそらくこの提案は受けられるであろう。問題は、日本が北朝鮮からどのように回収するかである。現金による回収は見込めない。

 ここが、僕の提案である。
 現金の代わりに、戦車で払ってもらったらどうだろうか。代物弁済という方法である。
 
ハンガリー ← (現金) ← 日本 ← (戦車) ← 北朝鮮

 そして、日本は買った戦車を、徹底的に破壊するのだ。もちろんテレビカメラを集めて、ニュースとして世界各国に放映する。これ以上無い軍縮のアピールである。

 <ポイント>
1.日本はハンガリーに金を払って、北朝鮮の戦車を合法的に破壊できる。つまり、北朝鮮は借金を現金で払う代わりに戦車で払うわけだから、一円ももらえずに戦車の数が減少してしまうことになる。

2.仕訳で考えてみよう。貿易収支では日本に損失が発生しない。ただし、国内の財政が悪化する。ハンガリーと北朝鮮の取引金額が分からないのだが、それでも日本がまかなえないレベルではあるまい。

ハンガリー現金100 / 貸付金100全額回収で損失なし
北朝鮮借入金100 / 戦車100 借入金がなくなる代わりに戦車を廃棄。
日本借入金100 / 現金100対ハンガリー
戦車100 / 貸付金100対北朝鮮
除却損100 / 戦車100戦車を破壊するので除却損が発生。
除却費用10 / 現金10破壊するのにもコストが掛かる。
現金10 / 売上10戦車を破壊して発生した鉄スクラップを電炉メーカーに売る。
これで除却費用をまかないたい。

3.もちろん軍用機や戦艦でもOKだし、武器弾薬でも構わない。

4.北朝鮮以外の国にも適用できる。

5.借金を返せなかったら軍備が縮小されてしまうのだから、債務国は必死で返済するであろう。したがって貸し倒れも予防できる。

<リスク>
1.せっかく日本が金を払って北朝鮮の非武装化を進めても、中国が北朝鮮に新品の戦車を無償供与する可能性あり。それでも中国に配備する戦車が減るわけだし、中国も「死の商人」の汚名は着たくないであろう。

 現金で北朝鮮の非武装化を図るこの案、いかがだろうか?
 子ども手当てや農家の保障に税金を使うくらいであれば、日本の安全保障に役立つだけでなく、世界平和にも貢献できる分、こちらの方が世界に評価されると思うのだが。
 世界平和をマイクで叫び続けるよりも、実効性がある。 



このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください