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16. あばれはっちゃく
あばれはっちゃく。番組名からして気合が入っている。この番組は、「喧嘩っ早くてそれほど成績はよくないけれど、実はやさしくて元気が良い男の子」が主人公の30分ホームドラマである。ある意味で理想的な男の子と言えるであろう。良く覚えていないが、おそらく成績の良いガリ勉学級委員やマドンナ役のかわいい女の子が脇を固めていたに違いない。
そして父親は絵に描いたような頑固親父であり、口より先に手が出るタイプである。
「おい、はっちゃく!」(と言いつつゲンコツ)
「いてーな、何すんだよ、父ちゃん!」
「まったくお前の馬鹿さ加減には、父ちゃん情けなくって涙が出てくら。」
というようなテンポの良い会話が展開された。ゲンコツはあくまでも愛のムチであり、根底には愛情があるという、こちらもある意味で理想の父子関係と言えるかもしれない。星一徹・飛雄馬父子ほど厳しい関係ではなく、海原雄山・士郎のように憎み合ってもいない。
当時のもう一人理想的な小学生を挙げると言えば、「ケンちゃんシリーズ」のケンちゃんだ。腕白ではないけれど、やはり元気は良い。ケンちゃんの方が良い子と言えるであろう。父親役は牟田悌三だったように記憶している。こちらも家族全員仲が良い。ちなみにケンちゃん役の少年は後に不動産屋となり、「地上げ屋ケンちゃん」と呼ばれたという事実を知る人は少ない。「あれ、ケンちゃんじゃないの。」などと言って老人が快く土地を売ってくれたと言う。
最近はほのぼのホームドラマというのは流行らないのだろうか。子供が主役のドラマと言うのも無いような気がする。「家無き子」が最後だろうか。腕白、ガキ大将という言葉はもはや死語なのかもしれない。
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