このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

8. アメリカ横断ウルトラクイズ (その4)
  「ニューヨークへジャストミイィィィィィィィィィィィィィト!!!!!!!!」
と叫びながら福沢アナが入場してきた。バックスクリーンからホームベースまで全力疾走する姿に好感が持てる。当時のジャストミートはプロレス中継で人気が出始めた、まさに「売出中」という段階であり、まだ全国区ではなかった気がする。
  ホームベース上でがっちりと握手を交わす留さんとジャストミート。留さんが紺のブレザーを着ているのと対称的に、ジャストミートは真紅のブレザーだ。彼は「燃えている。」ということを表現しているに違いない。彼が「ファイヤー!」という掛け声を発明するのは翌年である。
  握手が終わった留さんがゆっくりと退場していく。留さんコールの合唱だ。振り返ってお辞儀をする留さん。会場から惜しみない拍手が送られる。長い間ありがとう、留さん。僕は心からそう思った。

  気分を切り替えて、第二問の出題を待つ。ジャストミートの初コールだ。
「みんな、ニューヨークへ行きたいかああああああああ!!!!!!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
「罰ゲームはこわくないかああああああああ!!!!!!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
「どんなことをしてもニューヨークに行くぞおおおおおおおお!!!!!!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
ドーム内のボルテージが上がったところで、第二問の発表だ。

「明治19年、自由の女神の除幕式に日本人も招待されていた。」

相変わらず考えても良く分からない問題である。第二問目は○の人がスタンドに残り、×の人がグラウンドに下りるという形式である。僕は一人で悩んだ末、○を選び、スタンドに残った。
「○の方、自信は有るかああああああああ!!!!!!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
「×の方、自信は有るかああああああああ!!!!!!!!」
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!」
「答えは、これだ!!!!!!!!」
固唾を飲んでオーロラビジョンを見つめる。わずか数秒間、ドームが静まり返る。
正解

 
僕はがっくりと椅子に崩れ落ちた。言葉も出ない。ドームの人工芝を目の前にして、踏むことは出来なかった。
 「来年こそは芝を踏んでやる。」そう決意して、ドームを後にした。

 (続く)


    
   

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