このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
スペイン世界遺産エッセー/サンティアゴ・デ・コンポステーラ
⑥国土再征服運動と聖ヤコブ
サンティアゴ巡礼が盛んだった頃の中世キリスト教世界では、
イスラム教徒に征服されたイベリア半島を奪回(再征服)しようとする運動(;レコンキスタ)が展開されていました。
こういう弱肉強食の戦乱時代は、聖人といえども武器を手にすることが待望され、
英雄としてキリスト教徒を勝利に導いてくれるものと期待されたようです。
類例として竜を退治する聖ゲオルグ(聖ジョージ)は有名ですが、
異教徒の象徴である竜、つまりは自然の生命力を感じさせる蛇(土着信仰)を
キリスト教の英雄の力で制圧しようとするシンボル像です。
日本建国神話にも大和健命がヤマタの大蛇を退治する話しがあり、
起源は同じもののようです。
この信仰が戦乱の国土再征服の時代にはキリスト教会、
特にクリュニュ−会派修道院組織により政治的に利用され、
その結果、聖ヤコブは騎乗で剣を持たされる羽目となり、
足元の竜はモーロ人にすげ替えられてしまったという次第のようです
。
巡礼者としての聖ヤコブ、
セブレイロ峠の売店に置かれていた花崗岩の像。
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つづく⇒世界遺産エッセー/サンティアゴ・デ・コンポステーラ/安定時代のマリア信仰
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