スペイン世界遺産エッセー/サンティアゴ・デ・コンポステーラ
⑧信仰心と政治的組織モーロ(イスラム教徒)殺しの異名をもつ聖ヤコブ騎馬像についての違和感をぬぐうのに、
英雄と女神信仰の役割についての理解と、もうひとつ重要なことは
キリスト教の聖人とはあくまでもキリスト教会にとっての聖なる人であり、
現代人や古来の哲学者が思い描く完璧な姿としての
神のような存在とは必ずしも一致しないということを理解することです。
他のどの宗教も同じだと思いますが、信仰する個人は純粋かもしれませんが、
彼らを束ねる宗教組織となると話は別で、非常に政治的なものになってしまうようです。
つまり、聖人とはいえ非常に政治的な意味合いをもち、
現代人のイメージする聖人君子とは異なるものであるということでしょう。
かなり独断的な見方を述べてきましたが、もうひとつ言わせて頂ければ、
十字架で処刑されたイエスやその１２使徒の一人であるヤコブは
自分たちがここまで時と空間を超越し、
信仰されているとは夢にも思っていなかったのではないでしょうか。
ひとえに巨大化した教会組織の政治力の賜物と言えます。
写真はサンティアゴ巡礼の大本尊である大聖堂内部、
豪華な祭壇彫刻は中世の巡礼者にとっては神の場所そのものだったに違いありません。
世界遺産サンティアゴへ戻る つづく⇒世界遺産エッセー/サンティアゴ・デ・コンポステーラ/「星の野」とは
|
シニアが味わうスペインの旅
シニアのためのスペイン旅行計画
スペインの都市と観光スポット スペインの地方 スペインの自然と文化 |
堂)
「星の野」のガリシア地方