このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

スペイン世界遺産エッセー/トレド

⑥キリスト・イスラム・ユダヤ教徒の共存 

何故三つの宗教がこのスペインのトレドで共存できたかでありますが、
まず、民衆の立場からすると自分の生活を豊かにさえしてくれるなら、
統治者がキリスト教徒であれ、イスラム教徒であれ、
大して重要なことではなかったという要因があったかもしれません。

スペインのある哲学者がスペインのことを無脊椎国家と揶揄しているように
古来フェニキア、ローマ、ゲルマン・・と頻繁に統治者が変遷し、
国土再征服の時代にはまだ小王国に分立していたということもあり、
国家としてのアイデンティティーが他のヨーロッパに比べて希薄だったのかもしれません。

生活の実利を優先し、キリスト教徒は役人、イスラム教徒は農業と建築、
ユダヤ教徒は金融・商業というふうにに棲み分けがなされていたようであります。


 そして、この経済活動にもとづく文化交流を背景に、
科学者、人文学者たちは高い専門性を求めてお互いを尊敬・刺激しあい、切磋琢磨することが出来たようです。
そこで何らかの潤滑油の役割をはたしたのがユダヤ教徒なのかもしれません。

      

              写真は太陽の門(トレド旧門)とエル・グレコの「オルガス伯の埋葬」で知られるサントメ教会のミナレット。

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