このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

スペイン旅行のためのヨーロッパ地形

骨格の形成=造山運動


原動力は地殻マグマの対流運動


 三つの山系がどのような経緯で形成されたのかを見てみようとすると、地形変動の原動力として、プレート・テクトニクス理論 を知っておかなければなりません。地球内部のマントルが対流作用によって地球表面を地殻片(プレート)に分断し、それらを分離させたり、衝突させたりして地形を変動させてきたとするものです。(他説では、プレート移動はその重量の不安定さに起因するというものもあります。)
 
 地球生成の初期は平坦で薄い地殻に覆われていたようですが、この プレート の絶え間ない移動により、陸上では山脈・地溝、海底では海嶺・海溝などが形成され、これらに伴い地殻の起伏は大きくなってきました。プレートの割れ目から噴出するマグマの供給が、地殻全体の厚みを増してきているそうです。( プレート分布図 )
 
 一方、地表で起伏の高度が高くなったところは風化・侵食により破壊され、それらの物質が低いところに堆積することにり、地表部分はは平坦化されます。そして、再びプレートの移動により、平坦化された地表は以前よりも複雑に、つまり、堆積した比較的軟らかい層が押し曲げられ(褶曲)たり、風化して固くなった岩盤は、プレートの圧力などにより、いくつもの地塊片に分断(断層)され、これらが隆起したり沈降したりして、より大きな山脈が形成されるという繰り返しが、地球生成以来、行われてきたようです。

 山脈生成の際に、新しい山脈は古い山脈帯を核として形成されるようで、かいつまんで説明すると、まず、プレートの沈み込み帯に山脈が形成され、これが風化・侵食による「山脈の輪廻」で固い岩盤を持つ台地となります。同時に、周囲の低いところは風化・侵食したものが徐々に堆積されます。そして再び、プレートが他のプレートと接近し、造山活動期に入りますと、比較的軟らかいこの堆積層は褶曲し盛り上がりますが、この時、軟らかい層は固い台地の方面に押しつけられます。また、核となる台地は圧力で分断され、小地塊片となった台地は山脈にとりこまれるというものです。

 次に、複雑な地殻構造についてですが、これは、本来、比較的一様なものだったようです。(約40億年前にはすでに海が発生しており、地表のマグマは冷やされ地殻は存在していた。) しかし、二つのプレートが引き離される境界では割れ目から地中深くのマグマが噴出し、火成岩(玄武岩)に変ることによって、地核の原料として新たな岩石が供給されます。さらに、この玄武岩は、次のプレート接近時の沈み込みに際して、熱作用によって花崗岩(深成岩)に変えられます。したがって、プレートの引き離しで形成される、海嶺や地溝地帯では玄武岩が多く見られ、プレートの沈み込みで形成される、海溝や山脈地帯では花崗岩が多くなります。   >>>岩石の種類

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