このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
信仰はマリア像と「ド・ロ壁」に守られた 「長崎県」の目次へ | |
県指定有形文化財 | |
山が海に落ち込み、平地もなか外海の大野地区は、出津(しつ)の北4km、角力灘(すもうなだ)ば望む山間にある。 | |
正面にある風よけの「ド・ロ壁」が強風に耐え、いまでも山中にひっそりと立つ。 | |
大野教会堂の建物は長方形で、普通の家とあんまり変わらん。初めは一部屋の会堂部のみやった。北側の正面にあるド・ロ壁から祭壇のある位置まで約4間。ほとんど建ったときのままで残っとる。 会堂部は北側ば正面にして中央に引き違い板戸があり、その上部に半円アーチ形のはめ殺しガラス窓がある。東西の両側にはそれぞれ3個の窓があって、窓の上部はこれも半円アーチ形のはめ殺しガラス窓、下は外付け雨戸のついた片引きガラス窓で、窓枠は風に耐えるごと「ド・ロ壁」の表面にしっかりと外付けされとる。 「ド・ロ壁」ていうとは、むかしからこの地方で温石石(おんじゃくいし)て呼ばれる水平に割れ易か石ば使い、砂と石灰にのりとすさば混ぜた接着剤で積み上げていく独特な工法があり、これで石段から塀、かまど等ば築いとった。ド・ロ神父はこの工法に目ばつけて、赤土ば水にとかした濁液で石灰と砂をこね合わせ、これで玄武岩ば固めて壁ば作ることを考えだしなった。石の模様がなんとも美しか。 左・教会の玄関部分。右の黒かとこが「ド・ロ壁」で引き戸の入口までに約1mのアプローチがある。 左・一見して普通の家となんら変わらん部屋やけど、これが会堂やった。 右・教会堂の建つ石垣の下は畑。なんとも素朴でこぢんまりとしとる。 右・屋根の止め瓦(隅瓦)には十字架があしらわれとってただの家ではなかことば表現しとる。 | |
場所・長崎市下大野町。出津教会から国道202号線ば約3km北上。(出津教会までは 「出津教会」 ば参照) 右に大野神社の石段ば見たら50mで右折。すぐに左折して松尾酒店の前で右ルーブ。さらに大きく左ループして250mで、今度はカックンと右折。100mちよっとで左への細い道ば上がると大野教会の駐車場に着く。 取材日 2007.12.20 | |
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