(2) 沓掛(滋賀県伊香郡西浅井町沓掛)
江越国境(滋賀・福井県境)の深坂峠を源に南東流する大川上流の山峡に位置した集落です。
この大川に沿って塩津道が通り、北部で大浦谷に沿ってきた大浦道を合わせたあと分岐し、
深坂峠を越えて追分村(敦賀市追分)へ、新道野峠(沓掛峠)を越えて新道野(敦賀市新道野)に至る二つの塩津道に分かれました。
深坂越えは古代からの道で、道沿いに今も石畳や問屋跡が残っており、新道野越えは近世になって開削された新しい道です。
沓掛村の地名は、草鞋(わらじ)を掛けて旅の無事を祈ったことに由来するといわれます。
地内にある深坂には平清盛の運河開削伝説のある深坂地蔵があり、古代の愛発関の所在地を同地辺に比定する説もあります。
江戸期、沓掛村は近江国浅井郡に属し、寛永11年(1634)の村高254石余で山城淀藩領、
その後、甲斐甲府藩領を経て、天保郷帳の村高369石余、家数104、人数530、牛3、馬46とあり、大和郡山藩領で幕末に至ります。
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