このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

虚空蔵山長野県上田市'08年里山御用納め
− 2008.12.27(土) 快晴 −
 今日から年末年始休暇、世情の厳しさとは別に快晴での幕開けだ。年賀状の印刷を終え雪の少ない東信に向け10時過ぎに家を出た。
人の足跡はここまで分かりずらい登山道
 坂城町を過ぎた頃、太郎山山系で最も険しい虚空蔵山に登ることに決めた。絶壁に近い正面斜面の左縁を直登する大沢コースに足を踏み入れた。
色モノにほっとするキツイ直登で振り返ると上田市街地が見えた
 9月に起きた米国のバブル崩壊、2ケ月も経たないのに製造業の大型雇用調整が始まった。雇用調整の規模で長野県が第2位だという。こんなことを考えながら職と住を同時に失った多くの方には申し訳ない気持ちを抱き冬山トレッキングに臨む。
稜線の“ソデ”から山頂まで400mロープにしがみつき坂城町を見下ろす
 規制緩和もいいが、こと人に関しては慎重にやって欲しかった。国民の生活を第一に考えて欲しい政策決定、派遣制度も悪くはないが結果として住む所まで奪うことにならないような歯止めを講じておいて欲しかった。
 非正規雇用者で職を失う人は3万人といっていたが8万人近くまで膨らんだ。だいたい3万人というのは一部の大企業だけの数だ。100人以下の中小企業でも大幅に雇用調整を行っている。
山頂手前の虚空蔵様山頂が見えてきた
 GDP世界第2位の日本、円高で輸出が著しく減少したとしても国民生活がこんなにもろく崩れて良いものだろうか。住む所が無いという人達が大勢いるのに今夜の某局のニュースで海外旅行者の笑い声を多く報じる無神経さは如何なものか。
山頂に先に連なる浅間山系が見える虚空蔵山山頂(1077m)
 不安なく年越しが出来るのは、そのような人達の犠牲の上にあるのではなかろうかと自問自答しながらのトレッキング。ソデから山頂までロープにしがみついての30分は怖くて吐き気がした。高所恐怖症は年を重ねると敏感になるのかな。
左手に上田市街地〜小諸市街地まで正面は塩田平
 途中から登山道に積もった雪に残る足跡はウサギとカモシカだけになった。太郎山は100人ぐらい登っているだろうが虚空蔵山は私一人のようだ。
 軽アイゼンもストックも忘れたので10回近く転倒、またカメラを3〜4回地面に叩きつけてしまった。登りに3時間、下りに1時間半、久しぶりの里山歩きで疲れた。
蝶と里山の浪漫紀行

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