このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
与謝野晶子の歌碑
温海温泉
長岡に今朝雨を聞き夕には出羽の温海の吊橋を行く | |
吊橋を吹きてはかなし庄内も近きさかひの山の夕風 | |
朝市の初まりぬとて起されぬほととぎすなど聞くべき時刻 | |
さみだれの出羽の谷間の朝市に傘して賣るはおほむね女 | |
我が借れる湯治座敷も窓あれど暗しいではの山のさみだれ | |
二日して湯の香混りの五月雨に馴れし出羽の温海山かな | |
ほととぎす通ふに足らん御空をば上に残せる出羽の夏山 | |
出羽とて北の空のみ明るきも慣ひ變れる山の湯の宿 | |
湯場の屋根濡れて光れば岩燕岩と見なして遊ぶさみだれ | |
温海の湯色を變ふてふ浴む身に随ふならば悲しからまし |
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