このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


花を宿にはじめおわりやはつかほど

伊賀市平野中川原に「上野フレックスホテル」がある。


「上野フレックスホテル」に芭蕉の句碑があった。


花を宿にはじめおわりやはつかほど

『泊船集』 に「花も」とある。

      宗無亭

   花を宿にはしめ終や廿日ほと
   イニ花も
蓼云、花の初中後は三七廿一日ほとゝあるより云る句なるへし。「も」の字、書写の誤と見えたり。


平成8年(1996年)5月17日、伊賀上野ライオンズクラブ建立。

 元禄元年(1688年)芭蕉45歳の作。季語「花」で春。 芭蕉真蹟懐紙 に「瓢竹庵にひざをいれて、たびのおもひいと安かりければ」の前書がある。瓢竹庵は伊賀藤堂藩士岡本治右衛門正次(号苔蘇)邸の庭にあった庵で伊賀の芭蕉五庵の一つに数えられる。庵のほとりに見事な桜樹があったようで、土芳の『蓑虫庵集』にも度々花見をしたことが句文に見える。 『笈の小文』 の旅で帰郷中の芭蕉が 杜国 と20日間ほど瓢竹庵に滞在、苔蘇の厚情を受けた芭蕉が深く謝した挨拶吟。「始め終りや二十日ほど」は、花が咲いて散るまでの始終20日ほどの意で、『詞歌集』春の「咲きしより散りはつるまでみしほどに花のもとにて二十日へにけり」(関白前太政大臣)の歌をふまえている。

 句意は、「桜が咲き始めてから咲き終わるまでの20日ほどを、花を宿として心楽しく過ごし、すっかり堪能しました。」

元禄元年は貞享5年が正しい。

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