このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


さゝれかにあしはひあかる清水哉

成田市磯部に天満宮がある。


天満宮の鳥居


鳥居をくぐると左手に芭蕉の句碑があった。


さゝれかにあしはひあかる清水哉

出典は 『続虚栗』

『蕉翁句集』 (土芳編)に「貞享四卯ノとし」とある。

俳聖松尾芭蕉の句碑

さざれ蟹あし這いあがる清水哉   はせを

 裏面には「嘉永癸丑冬」と碑を建てた年が刻まれています。 今でも昔日の名残をとどめていますが、この句碑の傍には滾滾と清水が湧き出ていました。残念ながら、芭蕉がこの地を訪れた記録はありませんので、宝井其角が編んだ師の句集『続虚栗』に「さざれ蟹足這いのぼる清水哉」という句があります。この句をもとに「あし這のぼる」を「這いあがる」として芭蕉の没後160年忌に当たる嘉永6年(1853年)に、近在の俳人たちが追善供養の願いも込めて、ここ菅原神社の神域に湧き出る一筋の清水に、芭蕉の句を重ねて句碑を建てたものであろうと思われます。

 ある夏の日の夕暮れ野良仕事を終えた里人が、この小さな流れに足を浸して汚れを落とし、疲れを癒しながら愛し子らの待つ家路に向かおうとすると、一匹の小さな清水蟹が足元から這いあがってくる。振り落とすこともできずに其の愛らしい姿にじっと見入っている。そんな長閑な光景が目に浮かんできます。

平成17年3月 磯部区

天満宮社殿


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