このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


雲霧の暫時百景を尽しけり

静岡市清水区村松に鉄舟寺という寺がある。


臨済宗妙心寺派 の寺である。

明治の初め、山岡鉄舟が復興。

鉄舟寺の裏山に観音堂がある。

観音堂の前に芭蕉の句碑があった。


雲霧の暫時百景を尽しけり

出典は 『芭蕉句選拾遺』

貞亨元年(1684年)秋、 『野ざらし紀行』 の旅で詠まれた句とされる。

『野ざらし紀行』には「 雰しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き 」とある。

天保10年(1839年)8月、當山三十二世法印行超房傳明建立。

碑の裏に 雪中菴對山 の句が刻まれているが、よく読めなかった。

 『静岡県にある芭蕉の句碑』(塚本方円著)によると、碑の裏に56句が3段に記され、左に對山の句「夕月の出て隙とるや船の中」が記されているそうだ。

観音堂


昭和11年(1936年)4月12日、 与謝野晶子 は鉄舟寺観音堂を訪れている。

鐡舟寺補陀落山に昨日より友我れを待ち花散り初めぬ

山深き奥に如意輪おはしまし櫻がちなる鐡舟寺かな観音像

『白桜集』 (満耳潮音)

同年7月7日、与謝野晶子は再び鉄舟寺を訪れている。

しら露や禪師三界萬靈のために淨めし夏草の庭(鐡舟寺にて)

鐡舟寺老師の麻の腰に來て驚くやうに消え入る螢

この春の落花の痕も殘らずて暗き御寺の門のうちかな

『白桜集』 (佛燈に近く)

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