このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

斎藤茂吉の歌碑

おのづから寂しくもあるかゆふぐれて

     雲は大きく谿に沈みぬ


箱根の強羅公園に茂吉の歌碑があるというので、行ってみた。



おのづから寂しくもあるかゆふぐれて雲は大きく谿に沈みぬ

出典は『ともしび』。

 現代短歌の最高峯でありアララギ派の総帥として知られた故 斉藤茂吉 氏はこよなく箱根の山を愛し、約30年の長きにわたって、夏を強羅の山荘に暑を避けられました。箱根吟詠として公けにされるもの1200餘首にのぼると言われています。

 昭和35年5月、神奈川縣歌人会は氏にゆかり深い此の地に1碑を建て、箱根作品中の秀歌の1を抽(ぬ)いて刻みました。大正14年の作で、書は氏の直筆を拡大したものです。

 一首は明神岳、明星岳を包んだ夕べの雲が、足下の早川渓谷に沈み込もうとする情景を詠じたもので、壮重にして雄渾な歌調は、氏の全作品に見られる特色です。

 氏は 正岡子規 の写生の説を進展させて「自然自己一元の生を写す」と言う語録を遺しましたが、この一首にも能くその精神を顕現が見られるのであります。

箱根登山鉄道 強羅公園

斎藤茂吉記念館によれば、5番目の茂吉歌碑である。

 吉川熊雄は強羅公園の歌碑の拓本を基に福岡の 文学碑公園 に歌碑を建立した。

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