このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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種田山頭火の句碑

あなたを待つとてまんまるい月の

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中津市鷹匠町に東林寺という寺がある。


古刹 東林寺

 臨済宗医王山東林寺といい、ご本尊は薬師瑠璃光如来である。承久元年(1219年)聖一国師の開山で中津最古の寺院であったが、大友の兵火で七堂伽藍が焼けてしまい、享保2年(1717年)奥平公の入城と共に、中興の開祖、秀岩大禅師の精勤により法城の隆昌を來たした。

 境内には天満社があったため菅原道真の画像や縁起の軸物が残っており、儒学者土居震発、蘭医村上玄水・田長、国学者荒巻信濃守など先覚偉人の墓が多く、寺内に地蔵菩薩や子安弘法像があって、流浪の俳人山頭火の句碑も建っている。

中津市教育委員会

山頭火の句碑


あなたを待つとてまんまるい月の

昭和13年(1938年)3月15日、 種田山頭火 は中津の木村宇平宅を訪ねている。

  三月十五日 晴、中津。

今日も身辺整理、やうやく文債書債を果してほつとする。

十時、お暇して、歩いて伊田へ、伊田から汽車で行橋へ、乗り替へて中津へ。

汽車では七曲りの快も味へなかつた、駅でさめざめと泣いてゐた若い女をあはれと思つた。

宇平居は数年前のそれだ、お嬢さんがさつそく御馳走して下さる、ありがたかつた。

宇平さんは医者としても市民としても忙がしい、忙がしくて病気をする暇もないといふ、結構々々。

夜、二丘老来訪、三人でのんきぶりを発揮する。

寝苦しかつたが、よい月夜であつた。

  中津

・街は花見の売出しも近いペンキぬりたて

  宇平居

・石に水を、春の夜にする

・あなたを待つとてまんまるい月の

『道中記』

昭和48年(1973年)仲秋、松垣昧々・東林九世昌邦建立。

料亭 「筑紫亭」 へ。

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