このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

私の旅日記2008年

宝専寺〜与謝野寛・晶子〜
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伊東市新井に宝専寺という寺がある。


宝専寺の門前に有壁庵兎山の碑があった。

兎山の碑


花をたつね月にうかれてをしへつゝ

      雪と消にし我そはかなき

独住を常として

わすれしなみねのまつ風波の音

兎山在世中に建てた碑である。

兎山は和歌に志し、俳諧も好んだ。俳諧では 夜琴亭松十 の門人。

人の気の人に成る日や御祓川   伊豆伊東 兎山


磯辺山宝専寺


浄土真宗本願寺派 の寺である。

昭和5年(1930年)2月、与謝野寛・晶子夫妻は宝専寺を訪れ、歌会が催された。

その時に詠まれた歌の短冊が宝専寺にある。

与謝野寛
   
与謝野晶子

   

磯寺の竹の林を通す雨
   
伊東氏占めて三浦に対したる
      半嶋の春梅椿咲く
   
      しづかに聞けばまじる浪音

ともに自筆の短冊である。

宝専寺墓地の入口に与謝野寛の歌碑があった。



磯寺の竹の林を通す雨しづかに聞けばまじる浪音

与謝野晶子の歌碑 もがあった。



伊東氏占めて三浦に対したる半嶋の春梅椿咲く

1997年秋彼岸

昭和7年(1932年)7月、与謝野寛・晶子夫妻は再び宝専寺を訪れている。

磯辺山僧坊の主にまみゆればならいも雨にあらたまりゆく
   晶子

五位鷺のしどけ鳴きぬる夏の夜の話しもします山坊の人
   寛

墓地の片隅に 夜琴亭松十 の墓があった。

松十の墓


辞世の歌と句が刻まれている。

墓石の右

暮るるまで死る覚悟はなかりしに

      ふいに一吹こがらしの来て

墓石の左

寒き夜の夜着かふるにも念佛哉

今では訪れる人もないようだ。

石楠花が咲いていた。


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