水原秋桜子の句碑

梨咲くと葛飾の野はとのぐもり



梨咲くと葛飾の野はとのぐもり

市川の真間山弘法寺水原秋桜子(1892−1981)の句碑がある。


真間山弘法寺仁王門


秋桜子の句碑は仁王門の左にある。


梨咲くと葛飾の野はとのぐもり

昭和2年(1927年)、水原秋桜子35歳の作。

『葛飾』(昭和5年)所収。

 「梨咲くと」は、「梨咲くとて」という意味で、この句以来しばらくのあいだ「…と」が流行したものである。

 葛飾一帯は梨の産地である。晩春市川千葉間の電車の車窓から気をつけて見ると、真白に咲いた多くの梨棚を見出すにちがいない。そうしてその花の咲く頃は、空が范乎と曇り、(との曇りは棚曇りと同じで、空がおおらかに曇ること)そのため梨の花の美しさが一層引き立つのである。

 この句では、細かい描写をせず、おおらかな古典的な美しさを現わそうと試みた。

「自句自解」

昭和27年(1952年)10月9日、秋桜子の還暦を祝して建立。

五色沼の句碑に次いで全国で第2番目の秋桜子句碑である。

私はまだ梨の花を見たことがない。

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