このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
浅田次郎 (あさだ・じろう) |
『スターダスト・レヴュー』 (電子文藝館) |
短編。オーケストラの世界からドロップアウトし、赤坂の酒場でピアノの弾き語りをしている飯村圭二。十年前に捨てた恋人・節子のこと…、節子の兄・小谷から楽団に誘われたこと…、赤坂の夜をくらげのように漂っている女・エリのこと…。四十という年齢の節目に「考えねばならぬこと」に直面した圭二だが…。「さあて、と。どいつもこいつも、格好つけてやらなきゃな」。人生の決断を描いた好編。 |
『月島慕情』 (電子文藝館) |
短編。博打の壺振り・時次郎に身請けされることが決まった遊女・ミノ。子供の頃に吉原に売られ、十七の齢から盆も正月もなく続いた女郎稼業から足を洗い、惚れた男の妻になれる喜びに浸る彼女は、時次郎が住む月島を訪れるが…。「やっぱり世の中には、きれいごとなんてひとっつもなかったのだ」──。子供の頃に別れた弟妹のことを思いやる女主人公の姿に涙。皮肉すぎるラストが切ない。 →徳田秋声「或売笑婦の話」 |
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