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石上玄一郎 1910〜2009。 |
『クラーク氏の機械』 (電子文藝館) |
短編。「なんだ、こいつは例のガンジーじゃあないか」、「ええ、もうこれが最後に残ったんです」。動物実験のため、ガンジーというあだ名の年老いた猿に脳手術を施す大脳生理学の木暮教授。学問や真理のためとはいえ、苦行者めいた猿の表情に、やりきれないさびしさを感じる…。「なんという愚劣な人間どもだろう。彼らがどれだけあの猿より高等だといえるのか」──。“人間の驕慢”を際立たせるために、人間と猿の立場を逆転させるという演出が効果的で、印象に残る。「神は人間のためにのみ世界をつくり給うたのではない」。 |
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