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小栗風葉 (おぐり・ふうよう) 1875〜1926。


世間師  (青空文庫)
短編。放浪の旅に出た私(十九の青年)だが、ある港町に入った時には、すっかり旅費を使い果たしてしまう。貧民窟のような横町にある木賃宿「山本屋」に辿り着いた私は、親切な銭占屋(ぜにうらや)の男の世話になり、暫く宿で暮らすことに。万年筆売りの亭主が留守の間に、彼の女房と関係ができてしまった銭占屋の男だが…。旅から旅へ渡り歩く気随気儘な“世間師”たちの悲哀を描いて秀逸。

深川女房  (青空文庫)
短編。三年ぶりに再会した幼なじみのお光が、魚屋の女房になっていたことを知りショックを受ける船乗りの金之助。これまで通りの付き合いをしたいと話す金之助に、縹致(きりょう)よしの娘・お仙との縁談をすすめるお光。「医者のあの口振りじゃ、九分九厘むつかしそうなんだが…、全くそうなんだろうか。いよいよむずかしいんだとしたら、私…」。夫・新造の病気(腎臓病)が相当よくないと知ったお光は、一転して、金之助とお仙の縁談をぶち壊しにかかるが…。お光と金之助の仲をあれこれ詮索する魚屋の従業員・為(ため)がナイス・悪キャラ。現実的ともいえるお光の心理・行動が、生き生きとした会話文と相まってすこぶる楽しい。お気に入りの一作に。



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