このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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大倉燁子 (おおくら・てるこ) 1886〜1960。


青い風呂敷包  (青空文庫)
短編。「風呂敷の中に変なものが入っているんですよ。早く、開けて見て下さい」、「人間が入ってる。やッ、これや大変だ!」。カフェの女給・江川初子の部屋から、タクシー運転手・吉川の刺殺死体が発見され、初子に嫌疑が掛かるが、吉川と過去に関係のあった初子の妹・百合子の絞殺死体が別の場所で発見され、事件は混迷の度を深める。百合子の恋人・川口の名前も浮上するが、急性盲腸炎で入院中のため、除外される。百合子を殺害した吉川が他殺に見せかけて自殺したと推理する杉村刑事だが…。二転三転の推理小説。

消えた霊媒女  (青空文庫)
短編。「あなたは美人で有名だった小宮山麗子という霊媒女がある大家へ招ばれて行って、その帰りに煙のように消えてしまった不思議な事件を覚えていらっしゃいましょう?」。夫の赴任先であるシャム国で、著名な男爵の弟である勝田と知り合いになったS夫人だが、勝田は愛妻を肺病で亡くして以来、神経衰弱に陥っていた。日本へ帰国する途中、自殺してしまった勝田が、S夫人に宛てた手紙の内容(恐ろしい秘密)は?──口寄せする霊媒師と死んだ愛妻との区別がつかなくなってしまった主人公の悲劇を描いたミステリー。

黒猫十三(とみ)』  (青空文庫)
短編。友人・辰馬久(ひさし)に誘われて、賭場に行くも、運悪く手入れがあり、逃亡した本庄恒夫。円タクに飛び乗るが、何と車内には血だらけの美少女が横たわっていた。運転手が少女の存在に気づいていないと知った本庄は、彼女をアパートの部屋に運び入れる。しかし、医者を呼びに行っている間に、何者かに部屋は荒らされ、少女も浚われてしまう。警視庁から呼び出された本庄は、宮岡警部から意外な事実を知らされるが…。「トミー、来いよ。本庄君を紹介するから」。二転三転の展開が本当に楽しいユーモア・ミステリー。

深夜の客  (青空文庫)
短編。富豪・有松武雄からの依頼の電話を受け、彼が病気静養している沼津の別荘へ駆けつけた女流探偵・桜井洋子だが、有松は既に何者かに刺殺されていた…。「今度私が脱獄した理由、それは決して自分自身のためにやったのではないのです。あの男のため、いや、ある男の頼みを果してやるためだったのです」。深夜、洋子の家に現れた義賊・尾越千造が話す、ある死刑囚の世にも気の毒な物語とは? 「あれッ、あなた! ひ、ひと殺し、ヒェッ、あなた助け——」。親友同士であることを利用した完全犯罪とその崩壊を描く。

鳩つかひ  (青空文庫)
短編。「汝が昨日求めたダイヤをこの袋に入れ、鳩につけて放すべし。もしこの命令に反かば、汝の生命無きものと覚悟せよ」。伝書鳩を使って、金持ち連中から宝石を奪うという特異な連続脅迫事件を捜査している赤星刑事は、犯人を目撃した人物に扮して、犯人をおびき寄せるも、失敗に終わる。鳩舎のある場所を突き止めた赤星は、偽の鳩と偽のダイヤを使って、犯人の逮捕を目論むが…。宝石店を次々と見て回っていた怪しい弁護士・佐伯田博士が鳩つかいの犯人か? 変装が得意な赤星刑事の活躍を描いた探偵小説。

美人鷹匠  (青空文庫)
短編。夫・松波博士宛の手紙を勝手に開封した小夜子は、その内容に衝撃を受ける。家の小間使だった花が、松波との不倫の子・松吉を産んでいたこと、松波への復讐のため、小夜子が産んだ子・達也と松吉を入れ替えてしまったこと、達也が病死してしまったので、松吉を返して欲しいということが書かれていたのだ。そんな中、美人鷹匠による鷹狩の興行を見に行った達也(松吉)が、鷹の爪に塗られていた毒で死亡してしまう…。「どうせ、過失のない人間なんてありやしないんだから——」。事件の意外な真相を描いたミステリー。

魔性の女  (青空文庫)
短編。不倫相手の桃子と旅館で逢引きする本庄だが、彼の行動すべては妻・安子に知られていた。霊能があり、第七感が発達している安子のお陰で、出世することができた本庄だが、心の中まで見透せてしまう安子に嫌気がさす。桃子と一緒になるため、安子と別れる決心をするが…。「あなたと別れては、私は生きていかれないわ」、「生きてゆかれるだけの物を君にやる」、「全財産でしょう? オホホホホそんなもの、私はあなたが欲しいのよ。あなたの体も、心も、全部を私に頂きたい」──。魔性の女の執念を描いたホラー小説。

妖影  (青空文庫)
短編。「暗号はあなたの生命より大切だと思わなければいけない。トランクも危険よ。スーツケースはなお更だ。肌身につけていらっしゃい」。暗号を届ける任務を帯びて客船に搭乗した私は、乗客である二人連れの中国人(病弱な娘とその父親)に興味を抱く。なぜ娘は左手にだけ手袋をはめているのか? 空中に文字を書くような癖のある父親が話す、世にも奇妙な“恐しい感動”の出来事とは? 「オヤ、貴方はお眠りになっていらっしゃるんですか?」。結末が読めてしまう嫌いが有るが、ホラー・ミステリーな展開がすこぶる面白い。



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