このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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嘉村礒多 (かむら・いそた) 1897〜1933。


業苦  (青空文庫)
短編。「咲子、お前は処女だったろうな?」。妻・咲子の過去を知った圭一郎は、田舎に妻子を残し、薄幸の女・千登世と駆け落ちするが…。「こんなに髮の毛がぬけるのよ」。新聞社の月給では生活できず、徹夜で内職する千登世の痩せ衰えた身体を見て、罪悪感を感じる圭一郎…。「全体これから奈何(どう)すればいいのか?」。“処女”に執着する姿が何とも滑稽。卑小な男を描いた私小説。

崖の下  (青空文庫)
短編。「業苦」の続編。遠い西の端のY県の田舎に妻子を残し、薄幸の女・千登世と東京へ駆落ちした大江圭一郎。雑誌社に転職し、やむなく崖の下の荒屋(あばらや)に引っ越した圭一郎だが、故郷への思いが捨てきれず、前途のない生活を送る…。「大江君の父ちゃんは女を心安うして逃げたんだい。ヤーイヤーイ」──。いくら母親の愛情に恵まれず大人になったとはいえ、妻の乳房を吸う子供に悋気をやくのはさすがにちょっとねえ…。



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