このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
菊地秀行 (きくち・ひでゆき) 1949生。 |
『影女房』 (電子文藝館) |
短編。男やもめで偏屈な性格の青年藩士・榊原久馬(ひさま)に女ができたという噂が…。しかし、その女の正体は何と幽霊だった!──。「あなたさまの剣で私の仇(かたき)を討って下さいまし」。二年前の辻斬り事件で斬殺され、幽霊となった美少女・小夜…。果たして久馬は、自分より腕の立つ犯人を斬り、彼女の恨みを晴らすことができるか? 「小夜と申します。久馬さまには女房同様のお情けを頂戴(ちょうだい)しております」。久馬の身の回りの世話をするようになった小夜が、まるで嫁と姑(しゅうとめ)のように、久馬の母と張り合う様子がユーモラスで楽しい。主人公が味わうひと時の安らぎと寂寥(せきりょう)を鮮やかに描いた時代小説の収獲。 |
『欠損』 (電子文藝館) |
短編。さつきが会いたがっている──。心臓病で重態だという叔父の娘・さつきを、嫌々ながら見舞った長距離トラックの運転手・祐二。さつきと十年ぶりに再会した祐二は、彼女を連れて病院を脱け出す。満点の星空を眺めながら、ふと、さつきが言った。「足りないわ」「何かが欠けているの」──。恋愛を正面から描いた感動作。 |
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |