このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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相馬泰三 (そうま・たいぞう) 1885〜1952。


田舎医師の子  (青空文庫)
中編。
東京での生活に廃残し、意気地なく、おどおどしながら、六年ぶりに郷里へ帰って来た庸介。田舎で立派な医院を開いている父や母たちに帰郷を(表向き)歓迎された彼は、田舎の美しい風景や、人々の営みに感化されるのだが…。
「俺というこの人間はいったい何なのだ。何をしているのだ。嘗(か)つて何をしたか。そしてこれから先、何をしようとしているのか。……」
親に借金を返済してもらうのに要らぬ見栄を張ったり…、何の考えもないくせに家の相続問題に口を出したり…、セコい手段でもって小間使の少女・お志保に懸想したり…。軟弱・卑屈でありながら、自分本位な印象の主人公の姿がどうにもこうにも滑稽。妹・房子が陥る不幸も交えて描く。短編「六月」の続きのような内容。

六月  (青空文庫)
短編。泥酔して川に落ち、気がつけば警察の厄介になっていた新聞記者・曽根四郎。社の連中にこの一件をからかわれたり、下宿の主婦(おかみ)に滞納している家賃を督促されたり…。「おい、曽根君、当年二十七歳の美男子、君のその縮こまり方と来たらどうだい。ふ、ふ、川へ落ちたぐらいが何だね、借金が何だね、憂き世の波におじ気がつきましたかね」──。社会生活に馴染めず、意気地なく、孤独に陥る青年を描いた内向的小説。



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