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薄田泣菫 (すすきだ・きゅうきん) 1877〜1945。 |
『小壺狩』 (青空文庫) |
短編。「賤しい仲間(ちゅうげん)風情にしてやられて…」。稀代の名器である小壺を手に入れ、満足する小倉城主・細川忠興だが、小壺の発見者が家臣・松井佐渡守の仲間・喜平であることに、一種の恥辱を感じる。小壺を見ると喜平の名を思い出してしまう“喜平の悪夢”から遁れたい忠興だが…。「一度古田織部に見せるとしよう。あの男は将軍家の師範役だから…」。心の重みの解決法が面白い。 |
『利休と遠州』 (青空文庫) |
掌編。千利休が誉めたという疵入りの茶器を、大金を出して入手した丹後宮津の城主・京極安知だが、茶器の割れ目が気になって仕方がない。ちゃんと継ぎ直せばもっと見栄えが良くなると考えた安知は、茶人・小堀遠州に相談するが…。「利休が結構至極じゃと言ったそうな」。世間の評判をつい鵜呑みにしてしまう人間の本質をユーモラスに描く。あの世で利休と遠州を会わせる趣向が面白い。 |
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