このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
細井和喜蔵 (ほそい・わきぞう) 1897〜1925。 |
『女給』 (青空文庫) |
掌編。病気の夫を専門の病院で診察させたい妻・登恵子は、女工よりも収入の良い料理店で働き始めるが、女給という仕事の悲惨な現実を知り、憤りを覚える。無給チップ制、無制限の勤務時間、住込制度…、こうした不合理な制度は幾万の若き女性を苦しめているか? 「あたしゃね、人にこんな不味い料理の押し売りなんか出来ませんよ」。料理屋の主人に啖呵を切るラストにちょっと胸がすく。 |
『モルモット』 (青空文庫) |
掌編。「おい、いいものを買って来たよ」、「まあ! 可愛い動物だわねえ。それ、何を食べるの?」。生活苦が原因でヒステリーを起こすようになった、カフェの女給をしている妻の心を和らげるため、モルモットのつがいを買ってきた失業中の夫。「モルちゃんいい仔だね…キッチュ覚えたの? かちこいかちこい」。ペットを我が子のように可愛がることで精神の安定をはかる夫婦を描いて非常に今日的。 |
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