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宮本百合子 (みやもと・ゆりこ) 1899〜1951。


明るい海浜  (青空文庫)
短編。「あああ、私も当分ここででも暮そうかしら」、「いいことよ、のびのびするわそりゃ」。結婚生活がうまくいかず、夫・純夫の許から離れて、鎌倉で間借り生活を始める陽子。──転がれ、転がれ、わがからだ! 夫のいない世界まで。悲しみのない処まで! 家庭を失った女主人公の心の寂寥を描く。離婚もままならない中途半端な自分の立場を「枝に引かかった凧」と表現していて印象に残る。

杏の若葉  (青空文庫)
掌編。「何としていいか。これは困ったな——ああ、ぬい、一走り清ちゃんとこさ行ってこ」。少女のぬいと母親は、故障してしまった古い柱時計の修理を、ろうあの青年・清二に頼むが…。炉の火箸を使って、伝えたい言葉を灰の上に書くラストが素晴らしく、心温まる。

美しき月夜  (青空文庫)
短編。姪の結婚披露宴に出席した帰り道、幸福に満ちた夫婦(会社員の夫・W・タンナーと、妻・マーガレット)に突如として襲い掛かった恐怖の事態! 「あなた、早くせにゃあ危い、殺される、あなた、早くせにあ、あなた汽車が来る!」、「汽車?!」。 恍惚状態から急転する展開にビックリ仰天! 「これが? これが死? これが? これが?」。まるで新感覚派の作家のような斬新な描写力に目を見張る。



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