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蘭郁二郎 (らん・いくじろう) 1913〜1944。


宇宙爆撃  (青空文庫)
短編。超大巨人によって宇宙が爆撃される前に、地球人自ら地球を爆砕し、地球に科学が存在したことを超大巨人に誇示しなければならない──。磁気学研究所ボルネオ支所に赴任した村尾健治からの手紙を読んだ東京の実験室主任・木曾礼二郎は、元素変換の実験に夢中になるあまり、村尾が地球を爆砕しようとしていることを知り驚愕する…。科学の進歩がもたらす功罪…、一狂人の手によって地球が弄ばれる恐怖…。「ケッコウシマス、テツヅキヨロシクタノム」。飛躍した論理とズッコケなオチが面白いユーモア科学小説。

火星の魔術師  (青空文庫)
短編。従弟の英二を誘って、天文台のある高原へやって来た火星好きの会社員・大村昌作。「か、火星の果実──?」、「左様、進化した果実です」。人工的に染色体の数を増やして、巨大な作物を作っている農園業・志賀建吉と出会った二人は、健吉の発明にすっかり感心するが…。「いよいよ最後の実験が出来るぞ」。染色体の虜になった男の悪魔的な野望を描いて面白いユーモア・ホラー小説。

孤独  (青空文庫)
掌編。銀座の裏通りにある喫茶店「ツリカゴ」の常連となった洋次郎は、古くからの常連客の男に話しかけられるが…。「騒然たる中の空虚、織る人込の中にこそ本当の孤独があるのです」──。孤独を題材に都会の恐怖を描いたショートショート。オチが今日的だ。

蝕眠譜  (青空文庫)
掌編。久し振りに親友・黒住箒吉と会った春樹だが、余りに窶れ果てた彼の容貌に驚く。まどろみの快感を味わうために、極端に眠りを減らしているという箒吉。「君、とても信じてはくれないだろうけど、その彼女。ルミは、あの夢現(ゆめうつ)つのまどろみの中に現われるのだ」。座敷牢のような部屋で展開される奇怪極まる光景を目の当たりにした春樹は…。常軌を逸した狂気の世界を描いて面白い。

鉄路  (青空文庫)
短編。「轢いた。到頭、轢いちまった」。自殺者が後を絶たない“魔のカーブ”で人を轢いてしまった列車の機関手・源吉。それ以来、轢殺の魅力に囚われた彼は、轢死人のない日のやるせなさを、カフェの女給・京子を愛撫することで紛らわすが…。「どうせ、魔のカーヴだ。死にたい奴は死ね、俺は介錯してやるようなもんだ」──。“轢殺鬼”と化した男の恐ろしい計画とその破綻を描いた猟奇小説の秀作。

脳波操縦士  (青空文庫)
短編。静養中の奥伊豆で、科学者・森田源一郎と出会った遠藤。森源の家に住む美少女・ルミに恋心を抱いた彼だが、彼女は何と森源の脳波で動く精巧な電気人間であった。最愛のルミが、ないはずの意志を持ち、遠藤に恋していると知った森源は…。「あたし、おまえが好きなの、好きなの、好きなの…」。世にも奇怪な人造人間との恋愛の顛末(偶然がもたらす悲劇)を描いて面白い空想科学小説。

白金神経の少女  (青空文庫)
短編。「恋愛電気学」なるものを研究している老人・鷲尾と出会った青年・河井。研究費を捻出するため、所有するミケランジェロの絵画を売るという鷲尾だが…。「最も非数学的なもの、つまり恋愛というものを、じゃね、電気学的に闡明(せんめい)しようというのが、わしの念願じゃ」。白金(プラチナ)の神経を持った美少女・木美子の秘密と、絵画を鑑定する河井の推理が面白いユーモア・ミステリー。

魔像  (青空文庫)
短編。人間の各部位を拡大した写真が部屋の壁に貼ってある奇妙な家に住む中学時代の同級生・水木舜一郎と偶然に再会した寺田洵吉。異様な写真を撮り続けている写真マニア・水木の助手となった寺田だが…。「僕には前から考えている一生一代の大願目があるんだ、それを撮ったら、展覧会をやろう」、「一体何を撮るんだい、無論僕はどんなことでも手伝うけど」。オチが楽しめるホラー小説。

夢鬼  (青空文庫)
長編。
侮辱の中で育てられ、蒼白い「歪んだ心」を持った「極東曲馬団」の少年座員・鴉(からす)黒吉。偏執なまでに恋い慕う花形少女・貴志田葉子と思いがけず仲良くなった黒吉は、いつからか空中ブランコで空を飛ぶ時に「予言の夢」の幻影を見るようになる。

「葉ちゃんたら、とても慘酷(むごたら)しいのよ、アンナ綺麗な顔してるくせに——」

「曲馬団の解散=葉子との別れ」という不吉な「夢」を見た黒吉は、「良い夢」を見ようと焦慮(あせ)るあまり、ブランコから墜落して大怪我を負ってしまう。

年若き麗魔・葉子への未練(執着)と、幻影の妖夢が忘れられない黒吉は、もう一度空を飛ぶため、航空研究所のパラシューターの仕事に就く。そして「夢」の予言どおり、葉子と再会を果たすのだが…。

「黒ちゃん、もうお互いにサヨナラしましょうよ、それがお互いのためだわよ——ほほほほ、ねエ黒ちゃん、もう昔のことはいいっこなし、『極東』の解散と一緒に、他人になりましょうよ。……少しでも、あたしに可愛がられたあんたは幸福もんだと思いなさいよ…あたしはね、これから仰言る通り、あの人に逢いに行くの…今夜は向う泊り——羨しくって…」

あの暴雨風(あらし)の夜の出来事(最初の接吻)以来、「葉子」という偶像の俘囚(とりこ)になってしまった少年・黒吉の行き着く先(破滅)を描いた、陰惨なまでの「幸福」小説。

鱗粉  (青空文庫)
短編。海開きで賑わうK海水浴場で起きた美少女殺人事件。その現場で知人の山鹿十介と偶然に再会した白藤鷺太郎。不審な行動をする山鹿のことを疑う鷺太郎は、学友の沢村春生らの協力で、山鹿の犯行トリックを突き止めるが…。「山鹿、この上もないおみやげだぞ…そら、蝶や蛾がうじゃうじゃいる」、「あ、そ、それは…」。蝶・蛾の恐怖症と地下室の驚くべき秘密を描いて面白い猟奇ミステリー。



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