このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
JR上越線 土合駅 群馬県みなかみ町 平成21年5月22日 来訪 |
すこし長めのベルが坑内に響き渡り、やがてけたたましいモーター音をあげながら列車はホームから離れていく。
しばらくして列車が闇の中へと消えていったが、モーター音は延々と鳴り響き続けた。
しかし、徐々にその音は小さくなり、やがて無音の世界が訪れる。
上越国境を越える13.5kmもの長大トンネルの中にたった一人。
響く自分の足音がまるで闇に溶けていくようだ。
階段の長さ338m、段数462m。
土合駅は谷川岳登山の最寄駅としても知られるが、山に登るより先に駅構内で「登山」をしなければならないのだ。
もし、この階段の途中でへばるような事態が起きたならば、その日の登山スケジュールは大いに見直すべきであろう。
言うならば谷川岳への入山試験会場か。
こんなにホームと駅舎との間に標高差があるのならばエスカレーターを設置すべきじゃないかと、普通に思うであろう。
実際に階段左側に丁度エスカレーターが設置できるスペースは用意されているのである。
が、しかし一日平均乗降数がわずか17名の駅に、何千万もかかるような大型投資をできる予算が出るであろうか?
登山シーズンともなれば多少は乗客も増えるであろうが、それでさえ路線バスに食われているのが実情である。
よって当分は駅内登山は続くと思われ、エスカレータースペースには湧き出た地下水がただ流れるのみとなっている。(ちなみに一応工事用モノレールだけは設置されている)
黙々と薄暗い階段を上り続ける。
途中、休憩用のベンチが用意されている。
というか、駅構内を移動するだけでこんなにも疲れる駅は日本中探しても此処ぐらいであろう
ホームを離れてから経っているのだが5分近く経っても、まだ中間地点までしかきていない。
更に数分後。
階段に「360」と言う数字。
つまり360段目と言うコトだ。
だいぶ地上が近づいてきたが、まだ残り102段ある。
・・・すいません、ちょっと土合駅ナめてました。
本気でバテてます。
めっちゃ息切れしてます。
でもあえて休まず進みます。
一度休んだらしばらく動きたくなくなりそうだから。
ホームを過ぎてから約10数分後。
ようやく地上へ到達
ちなみに『Suica』は使えないそうです。
関東での使用可能域は水上が北限。
連絡橋を渡り終えると今度はコンクリブロックの壁に囲まれた渡り廊下へ。
おそらく冬季の厳しい風雪にも耐えられるよう頑丈な造りにしているのだろう。
しかし、なんか無機質なコンクリと安っぽい蛍光灯が照らす薄暗い通路が、死刑台へと向かう通路みたいな雰囲気を醸し出してちょっとヤダ。
ようやく改札まで17m。
長かった「土合駅構内の旅」も終りが近づく。
改札到着。
今度こそお疲れ様ですた、自分。
つーか、「Suica」どころか駅員すらおらんやん。
そんな訳でこの切符は記念品として持ち帰らて頂きます。
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