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細尾峠(旧国道120号)
栃木県日光市
2006・7・2 来訪
   

栃木県足尾町と日光市を隔てていた細尾峠。
しかし、2006年3月20日をもって日光市に合併されてしまった。
この細尾峠を調べていて初めてこの事実に気付いた訳だが、正直「なんだそりゃ!」と思った。
てか、足尾と日光じゃ歴史も風土も全く別な土地じゃねぇか!
それを隣同士って事でムリヤリくっつけるとは恐れ入る。
全くをもって「平成の大合併」は日本の文化を掻き乱すをロクでも無い悪行である。


と、一通り怒って見たが、冷静に考えれば何処も地方財政はいっぱいいっぱい。
足尾町だって鉱山が閉鎖されてからは過疎化で苦しんでいる。
その中で何とか行政が何とかやりくりしていく手段として「合併」と言う行為に到ったのであろう。
部外者が本来どうのこうの言うべきでは無いのかなァ、と言う結論になりました

峠とあんまり関係無い事でグダグダ語ってしまいましたが、 その① からの続きって事で。

上記で長々語った通りかつては日光と足尾の市境だった峠。
今では北側も南側も日光市です。
かつては何かの標識を掲げていたかと思わしき鉄柱。
峠にあるという事もあり、やはり「日光市」と表記された白看板か?

峠を越えると眼前には巨大な水蒸気が沸き立っていた
足尾から峠の先を覗いた時に見えた白い物体の正体である。
標高1000m近い山々が雲を堰きとめ、たまに鞍部である峠からちょこちょこ漏れ出しているのであろう。
雲の中に突っ込むと周囲は一面白色の世界。
霞んだ視界の荒れた道は少々不気味。
走りなれた道なのでそれなり冷静に走れたが、もしもこれが始めての所だったら、ちょっとチビリモードになってかもしれない。
日光側も激しく九十九折れ。
道の下に道があり、さらにその下にまた道が。
180度カーブの横にあった滝。
規模は大きくは無いがなかなか趣のある滝で、霧で霞んだ世界に流れ落ちる清流は幻想的。
ようやく雲の中を抜け視界がクリアーになってきた。
峠もだいぶ下ってきたようで遠くに日足トンネル日光側の坑口施設が見えた。
全体的に荒れた雰囲気がある旧道だが、ここだけ何故か真新しいコンクリ橋が架けられていた。
コンクリ橋の向こうにはかつての路面と思わしき路盤。
その途中に大きく崩れている箇所があった。
激しく崩壊した路面を復旧するより、新しくそこをショートカットする橋を作った方が安上がりだったのだろう。
しかし、旧道が一度崩壊してしまったらそのまま廃道として放棄してしまわれる事が殆どだ。
このような大掛かりな復旧作業をするという事は、行政的にもこの旧道はまだ生きている道として扱っている証拠。
細尾峠は引退してなお人々に必要とされる幸福な道だ。
現道とクロスオーバー。
曲がりくねる旧道に対して、カーブは必要最低限に抑えストレートが主体の走りやすい現道。
新旧を対比する事によって土木技術の進化が見てとれる。
ここで現道に進入する事ができるが、あえてそのまま旧道を進む。
ちなみにここ、新旧の進行方向が逆になっていてわかりづらい。
現道は北側へ進むと日光方面に出るが、旧道は足尾へ戻ってしまう。
初めてここを訪れた時、日光側から現道で進入し、ここで旧道に入ったのだが、そのまま進行方向を変えずに進み日光方面へ戻ってしまった。
旧道、現道分岐の青看板。
この看板を見た感じだと、日足トンネル開通当初はここまでが新規開通区間だったのかも知れない。
現道とクロスした後も、まだまだ九十九折れは続く。
ただし、こちらは舗装がわりと新しめ。
こちらの区間は通行止め規制はかかっていない(規制区間は現道クロス地点まで)正規の道路ゆえだろう。
今度は現道が旧道の上をクロスしていく。

現道をくぐった後に、もう一本おにぎりが残っている事が確認できる。
しかし車にぶつけられたのか、ひん曲がってそっぽを向いてしまっている。
すでに国道指定を外されている道なので、このまま放置か撤去のどちらかの定めだろう。
できれば、このまま残っていてもらいたいが・・・。
大谷川を渡る橋の前で現道と合流。
川を渡ると国道120号線にぶつかり、左折はいろは坂を経て中禅寺湖へ、左折は日光市街地へ向かう。
ちなみに交差点を直進しても市街地へ行けます。
恐らく、直進路はR120の旧道かと。

最後に首都圏にお住まいの方へのマメ情報。
下道で日光へ向かう場合、R4宇都宮経由R119→R120より赤羽より延々R122で向かった方が早いと思われます。
更に言えば観光シーズン真っ只中の帰りは、断然R122の方が早いです。
状況によっては高速使うより早く、さいたま市内に入れるかも。
一度お試しあれ。(ただし、山道が苦手な人はちょっとキビシイかも)


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