住宅地を抜けると一気にか細く頼りない道となる。
未通道路に良くある光景だ
大概この後は荒れたダートになり、登山道クラスに転落か、もしくは完全に道が無くなるかのどちらかだ。
しかし、極稀に一般的な車道とは言いがたい道なれど、なんとか通り抜けられてしまう道がある。
そして、そういった道は必ずといっていい程「曰くつき」の道であったりする。
オブローダーとしてはこういう道を見つけた時程、感極まる事は無い。
時折、道端にこの様な小型の建て看板が設置されていた。
『0271A003 兵庫県』
県による何かの管理用のものようだ。
コード番号らしき数字の初め4桁の「0271」と言う数字は間違いなく、この県道の番号の事だろう。
山へと指しかかり、やや勾配がかかるようになったが、それ程きつく感じる事は無い。
穏やかにゆっくり標高を上げていく。
のんびりと上がってきた『舗装路』だが、ここで初めて山道らしい180度ターンの九十九折れを使って標高を上げる。
此処から先は流石に勾配がキツくなり、険しい狭路を辿りながら峠を目指す。
やがて万福寺と言うお寺の辺りで峠を越し、旧・養父町地区に入り麓へ通りていく・・・。
ただし、こっちは県道ぢゃない。(一回目は騙された)
県道はこっちだ。
苔生し、何が刻まれているか判別しかねるぐらい風化した石碑。
これは昭和とか大正とか言うレベルでは無い。
この道限りなくアヤシイ。
むろん、良い意味でだ。
杉林に囲まれた山間を行く県道未通区間。
しかし、それなりに人の手が入っているようだ。
杉を管理している林業者はもちろん、炉端の小さな祠も質素ながら小綺麗な所を見ると、近隣住人も結構立ち寄っているのだろう。
路面も林道レベルとしてはまあまあでオフ車なら特に苦労する事も無い。
一見、路面中央部分が石畳の様になっているがコンクリで固められているので近代化以前の物では無いようだ。
未通県道の名無し峠を見守るお地蔵様。
やはり、先程の祠のように綺麗に清掃され、
朝方に摘まれたと思われる花とお水がお供えされていた。
古き良き日本風習を感じさせる峠の地蔵だが、
いったいの所、この地蔵はいつ頃ここにおかれたのか?
祠を覗き込み、お地蔵の右横に刻まれた文字を確認する。
『明治二年』
・・・やっぱココ、単なる未通県道では無いような気がする。
この道のルートからしてもやっぱ
アレだよなァ。
地蔵の前でアレコレな思索を巡らしていた時、「最大のヒント」が峠向こう側からやってきた。
続く