このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

長野電鉄 木島線(河東線)

長野電鉄木島線は2002年4月に廃止された路線である。
そもそも木島線は長野電鉄の本線であった河東線(屋代〜木島)の一部であり、
長野電鉄の全路線の中でも、早い時期(大正14年)に開通した区間である。

廃止された「信州中野〜木島」は地域間輸送の他に
路線近辺に点在するスキー場や終点木島駅の先にある野沢温泉への
観光客輸送をも目的とされた路線であった。
一時期は長野からの直通列車や
短期間ではあるが名古屋から直通準急が国鉄から乗り入れた事もあった。

しかし、如何せん志賀高原や湯田中と言った超メジャー観光地を抱える
長野電鉄のドル箱路線「山ノ内線」に比べ
木島線沿線はイマイチぱっとしない。

また、千曲川を挟んでJR飯山線と平行していて、
大都市圏ならいざ知らず地方鉄道としてはあまりに路線が近すぎた。
結果として全国ネットを持ち会社にも体力があるJRに客を採られ
木島線は赤字を出し続ける事となり廃止に追い込まれる事になった。


2006年、廃止から4年たった木島線を訪れてみた



長野電鉄 信州中野駅。
かつてはこの駅で木島線と山ノ内線が分岐をしていた。


木島線が廃止された今、
この路線バスが木島までの地域間輸送を担っている。


信州中野駅を過ぎた先の踏み切り。
右側に曲がって行くのが湯田中へ向かう「山ノ内線」である。
一方、直進していく錆び付いた線路が、かつての「本線」である木島線である。

元々は『河東線』の支線であった山ノ内線だが、
現在はこちらも支線であった「長野〜須坂」間の長野線と一本化され、本線として昇格している。

一方、本線であった『河東線』は
「木島線」区間の廃止に加え、一番最初の開業区間(大正11年)である「屋代〜須坂」間も
「屋代線」として支線扱いにされ分断されてしまった。
「須坂〜信州中野」間のみが『長野線』と名を変え本線として残っている。


踏切から少し放れた場所からレールが撤去されている・
しかし、架線柱や架線はそのままで離れた場所から見ると
まるで現役線の様に見える。


国道292号を渡る誇道橋。
R292草津方面から国道最高所峠『渋峠』を越え、群馬〜長野を結ぶ。
1998年の長野オリンピックを機に改良され
中野〜踏野渋IC間は高規格バイパスとなり、
志賀高原への上りの途中にはループ橋も架けられた。

この誇道橋も『五輪改修』時に架けられた橋であろうが、僅か4年で不要の物となってしまった。


夜間瀬川手前の築堤の上。
路盤はススキで埋まり、架線柱にはツタが絡みつく。


夜間瀬川橋梁。
ここもレールが剥がされただけでそのまま。

橋台を見ると近年に補強されたと思われる
真新しいコンクリの箇所がある。

もしかしたら、これもオリンピックの時に
県、もしくは国から会場間輸送の為の整備補助金が出て、
その予算の一部を赤字路線である木島線の整備に回したのかもしれない。


夜間瀬川を渡った先の路盤は道路に変貌。


どうやら県道414号線のバイパスらしい。
訪れた当時はまだ一部工事中であったが、
現在は既に全線供用中である。

また、この道路化区間にはかつて「赤岩駅」があったようだが、
今では全く痕跡が無い。


道路と化した廃線跡を進むと
道路工事以外の作業箇所があった。

この場所の反対側を見ると・・・



このような建造物が。


更に建造物の中を覗くとそこはトンネルの入口であった。
実はこれ北陸新幹線のトンネル。

開通後は絶対にこの位置では見ることができない貴重なショット。


北陸新幹線のトンネル工事箇所を過ぎて
しばらくすると路盤が復活。

ここも架線柱はしっかり残っている。


唯一の列車交換ができた柳沢駅へ


続く

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