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旧道との分岐点。
入口にはコンクリゲートがあり4輪は進入不可。
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スノーシェッドでガッチリ守られた新道と、その下をヒョロヒョロ進む旧道。
まだ4月の初めというコトもあり、残雪も多く残っている。
が、この時期の新潟としては かなり雪が少ない。
本来だったら、この旧道が雪に埋もれていてもおかしくはないのだ。
前年(2006年)の6月に新潟を訪れた時と、殆ど雪の量が変わらない。
2005〜2006年の冬が大雪の年だったのに対し、2006〜2007は記録的な暖冬であった。
ここを訪れるちょっと前の3月下旬に長野の蓼科高原へ赴いているのだが、やはり雪が少なかった。
ニュースやらなんやらを見ると、今後の年も暖冬傾向が続くようだ。
温暖化は確実に進んでいる。
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道が大きくU字を描く。
遠くに見える山は越後駒ケ岳か?
谷向こうのには、先ほどまで走っていた道。
その路肩の下には新道に押しつぶされた旧道の残骸が所々に見える。
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U字を曲がりきると路面には融雪による水が路面いっぱいに流れていた。
この画像を取っていた時は何事も無く通り過ぎていたが・・・。
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旧道の横は、絵に描いたようなV字の谷間。
沢は源流地点から真っ直ぐ山を切り開いて、下流部へと流れ落ちる。
暖冬といえど景色は冬山そのもので、枯れ木立ち並ぶ景色は寂しいの一言。
ただ、この荒涼とした光景はただ単に木々が葉枯れしているだけとは思えない。
よく見ると所々に土砂崩れの跡があり、山の地肌ががむき出しになっている。
言うまでも無く、これは中越地震の影響であろう。
谷間の底には砂防ダムによって造られたような無機質な川原が出来ているが、もしかしたら地震によって崩れてきた土砂が堆積してこのような状態ができがったのかも知れない。(元々このような川原だったのかも知れないが)
この谷間にへばり付いた旧道をボサーっと走り続けていたのだが・・・。
いきなり突然、タイヤのグリップ感が無くなった!
!!!
へヴぁーーーーー!
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どーん。
激しく転倒いたしました。
あちゃー。
実はこの時まだ せろーさん、納車されてから一月経たない新車状態だったのに・・・。
んまァ、コケるのはオフ車の宿命だから仕方ないけどね。
名誉の傷が一つ付いた、というコトで。
さてさて、何故いったいタイヤが滑ってコケたか?
その原因と言うのが・・・。
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コレです。(ちょっとコケた場所と違う箇所ですが)
一見、ただ単にちょっと水気を帯びて湿っただけに見える路面。
実は水気を帯びているだけではなく、薄い泥の膜が出来ているのである。
それだけでも十分に滑りやすくなっているのだが、更にそこに藻が生えてヌメヌメになっているのである。
一度このヌメヌメ路面に嵌ったが最後、ヌメリゾーンに外に放りだされるか、障害物にぶつかるまで滑り続けるしかないのである。
正直、全く行けないというコトもない。
実際、コケるまで2箇所ほど何事も無く突破してきたのだから。
しかし、ちょっと加速しようとか、ハンドル曲げようとすれば、さあ大変。
重力に引きずられ滑り落ちるのみ。
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取りあえず、せろーさんを置いて先の状況を確認しに行く。
転倒した箇所のちょっと先にあったカーブを曲がると見通しの良い場所に出た。
眼前に立ちはだがる山壁。
だが、その中央部分。
山の地形に沿って曲がりくねった道を登りきった先にあるモノが、見えてしまった。
例によって画像にカーソルを。
後山隧道である。
なんとか せろーさんに跨りあそこまで辿り付きたいのだが・・・。
しかし、だ。
相変わらずヌメリ路面があちこちに点在している。
ここを何度も跨いで行くのは正直怖い。
山側に行くなら良い。
もしも、谷側へ滑り落ちたら・・・。
ムリっす。
現道で迂回し反対側へ回る事に決定。
ちなみにコケた場所から車体を転回するのも一苦労であった。
唯でさえ幅員が狭いのにヌメリ路面があるのだ。
この上なく慎重に車体を廻していく。
が、一瞬谷側へ滑りかけた時、
『☆人生\(^o^)/オワタ☆ 』
と、思いました。
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んで、ですよ。
現道の「一村尾トンネル」抜けたらですよ。
あっさり、ありやがるんですよ。
隧道が。
ええ、さっきまでのオイラの苦労は何だったのかと。
まあ、良いんですけどね。
隧道自体は昭和37年製の普通のコンクリ隧道。
ただ、ポータル横に丸石の石垣があるのが特徴的。
周辺地域にとって重い歴史的背景のある隧道なのだが、これは後日に語る事とする。
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内部。
通行止め看板とチェーンゲートがある。
バイクで抜けられなくも無いが、抜けない方が良い。
現在 坑内は、除雪車等の道路整備用車の車庫となっている。
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隧道を潜って反対側へ。
東側坑口は雪の吹き溜まり防止の為か、ちょこっとカーブがかかっている。
隧道前にもヌメリ路面が縦断。
もし、こちら側から旧道へ進入していたらどうなっていたか、と考えてみる。
何も考えず、カーブ前の湿った路面に突っ込んでいたら・・・。
間違いなく、恐らく谷底ダイブだったであろう。
・・・恐ろしい。
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誰もいない、山中。
越後山脈の山々だけが愚か者の足掻きを見つめていた。
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