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オハニ36形 3等荷物合造車


      特別急行(かもめ)に連結される オハニ36 20  門タケ  昭和33年 山崎付近 奥野利夫氏撮影


       オハニ36 6 東シナ


昭和30年から31年にかけて、戦前製の古い木造客車の台枠を利用してオハニ63形客車が30両製造されました。このオハニ63の台車を、昭和31年から本年(昭和33年)にかけて、新設計のTR52台車に取り替えたのがオハニ36形式です。
30両のオハニ63の全車がオハニ36に改番されました。
TR52台車は10系軽量客車に使用されているTR50台車と酷似しています。オハニ36の車体は従来のスハ43形風であり、足回りは10系客車風と両者の合の子的な車両になりました。
3等室の設備はスハ43並の急行仕様になっています。TR52台車に取り替えたことで乗り心地の改善も図られ、普通急行はもちろん特別急行にも使用されています。


オハニ36平面図


★3等室の設備は昭和26年から29年にかけて製造された普通急行列車の標準仕様であるスハ43形に準じたものになっています。台車が新設計のTR52を履いていますから、その分の乗り心地がよく、この10月に固定編成に置き換えられた特別急行(あさかぜ)の1号車に長らく連結されていました.

★現在、東京〜鹿児島間を結ぶ特別急行(はやぶさ)東京〜長崎間特別急行(平和)京都〜博多間特別急行(かもめ)の1号車に連結されています。
(かもめ)の編成表はこちらからどうぞ。

★普通急行では上野〜新潟間(上越線経由)普通急行(佐渡)上野〜仙台間(東北本線経由)普通急行(青葉)などに連結されています。


★以前扇風機は2等車以上に設置されるものでしたが、スハ43形の登場より優等列車から3等車にも設置されるようになりました。オハニ36の3等室にも2機の扇風機が設置されています。

★窓の寸法はスハ43と同じく幅1000㍉の3等車標準仕様になっています。




★オハニ36は中央の便所・洗面所を境に半分が3等室、半分が荷物室および乗務員室になっています。
3等室の照明は白熱灯ですが、80系湘南電車から始められた天井の座席上に左右2列に取り付けられた形になっています。今までの1列配置の車両より倍以上明るくなったという報告があります。

★座席はスハ43形と同じような、向かい合わせの固定座席が採用されています。ふとん地はスハ44形特ハと同じ緑色の純毛モケットです。座席のピッチも1470㍉を確保し急行形3等車標準仕様になっています。ひじ掛けは窓側座席にも取り付けられています。さらに通路側席にも仮眠用に頭もたれが作られ、これで窓側、通路側席ともに、かけ心地は同じ条件になりました。

★結核の蔓延を予防する見地からタンツボが床にはめ込まれています。






★便所と洗面所は車両中央部にそれぞれ一ヶ所ずつ設置された形です。トイレは和式です。

★便所と洗面所の向こうに引き戸があり荷物室とつながっています。この荷物室は列車利用客のスーツケースや大型のボストンバッグなどを列車給仕が預かり一時保管する場所となっています。



▲オハニ36の乗務員室側です。(はやぶさ)(平和)(かもめ)用の特急指定車はバックサインを取り付ける関係で連結ホロ枠が撤去されています。


▲客用出入り扉は黒いHゴム支持のガラスがはめ込まれています。デッキまで立ち客がでた場合、客が目線から外を確認できるように、高さがいっぱいまで広げられました。
▲車体はスハ43系風、足回りは軽量客車風になっています。


▲京都駅で発車を待つ博多行き(かもめ)。機関車の次位にオハニ36の姿が見えます。
昭和33年  
奥野利夫氏撮影


「1/80 我が愛しの鉄道模型」 の新間様提供の役者勢揃いの写真です。特別急行(かもめ)の牽引機関車と、 ナハフ11
オハニ36がヘッドマーク、バックサインをつけて勢揃いしました。
「1/80我が愛しの鉄道模型」では特別急行(かもめ)や普通急行(筑紫)の編成模型写真がご覧になれます。

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