このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

クモハ40 ロコモデル 昭和49年製品
ロコモデルは昭和40年代後半から50年代前半にかけてもっとも元気のよかった模型屋です。
私がはじめてロコモデル製品を見たのは昭和47年でした。そのころ大手の模型屋であった天賞堂、カツミ、宮沢製品ではカバーできないマイナーな車種を模型化していました。
ロコ製品の中で特に秀逸な出来だったのが旧型国電でした。ぶどう色、スカ色、新潟色までカラフルにウインドウに飾られていました。ウインドヘッダーとシルの繊細な表現を得意としていて、ノーシルノーヘッダーのモデルは正直なところイマイチでした。
そしてレタリングがすばらしい。厳密に言うと国鉄の字体とは違うのですが、白い塗料で細かに書かれた文字に釘付けになりました。
あのころは地方の模型店でもかなりの数のロコ製品が並べられていました。そして素材の正体がペーパー製と知ったときはさらに驚きました。手作りのようなペーパー車体のモデルも堂々と店頭に飾られていることに、鉄道模型の奧深さを知りました。
私が所有するモデルは、両運の
クモハ40です。クハ55や片運のクモハ41もほしかったのですが、何といっても、一両で走らせられるクモハ40が気に入りました。完成車を買い求めました。昭和49年当時5900円でした。
▲ロコモデルといえば旧型国電。私の所有しているクモハ40は塗装がぶどう色1号のものです。もう少しつやをおさえた方が私好みです。今眺めてもかなりのディテールですが、ギラギラのパンタだけはおもちゃっぽく時代を感じさせます。
▲ロコモデルお得意の前面表現です。行き先札入れや運転席上の角形ベンチレーターはロコお手製のパーツです。
手すりやパイピングも適度に施されていますが、手作り品の欠点でしょうか、パイピングがいつのまにかはずれてしまい悔しい思いをしました。
▲屋根はキャンバス張りの実感を出すために、特殊加工してある、とカタログに書いてありました。さわってみるとざらざらしていて、独特な風合いがあります。
▲屋根部のアップです。キャンバス張り表現の特殊加工が分かると思います。
ずっと後になって、ロコモデルが店をたたんだあと、RM誌上に、この特殊加工は屋根板にトイレットペーパーを貼ったものだった。‥と暴露?記事がありました。思っても見なかった「特殊加工」でした。
▲木製の床板やひとつひとつ取り付けた床下機械が、いかにも手作りといった感じです。
モーターはカツミ製、インサイドギヤは小高製のようです。台車は日光モデルのシャープなものをおごっています。
▲あこがれのロコモデルのレタリング。茶色のボディーに真っ白なレタリングがはえました。
聞くところによるとロコモデル社長の名人芸だったとか。30年たった今さすがに色あせてきましたが。
そして床板にはロコモデル独特のロゴの入ったラベルが貼り付けられ、ステータスを高めています
。模型も、レタリングも二度と生産されないと思うと悲しい気持ちになります。

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