このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
モハ111系 カワイモデル 昭和52年製品
モハ111系といえば、カツミのモデルが定番でした。丈夫な真鍮製のボディー、実物を的確に捉えたプロポーション、何より走行が安定していること。 しかし欠点もありました。それは客用ドアがプレスで表現されていること。当時のカツミ製品は、プレス加工が多用され、見た目すっきりしているものの、メリハリの点でものたりなさも感じていました。 そんなとき友達に勧められて購入したのが、カワイの111系でした。 とは言っても、当時私が住んでいた地方都市では、カワイ製品はほとんど入手できませんでした。たまたま上京の機会があった友人にカワイモデルまで出向いて、買ってきてもらいました。 カワイのカタログによると111系は「『目を楽しませるユニークな工法』…精巧なプレスドアの取り付け」とあるように、両開きドアのパーツを後ろから別張りしているのが、一番の気にいった点でした。 塗装もカタログによれば「国鉄規格の色感にぴったりの高級メラミン塗料、食いつきがよく丈夫」と紹介されるだけあって、深見のあるグリーンと鮮やかなオレンジ色の取り合わせは、模型を手に取ったとき本物の色味にそっくりだと感じたものでした。 今回揃えた111系は、塗装済みボディーを購入しました。窓ガラスだけは付属していましたが、台車、床下器械、連結器は別に調達し組み立てました。
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▲クハ111です。基本4連プラスサロの5連で編成するためにはクハを2両揃えなければなりませんでした。 カワイの111系は初期形をモデルにしていて(同じ頃のカツミ製111系はAU13形クーラーがついたマイナーチェンジ車を模型化していました。)窓もユニット形でないタイプです。 カワイの特製塗料のおかげで、購入後28年経過した今でも色あせがなく鏡のように輝いているのは、見事と言うしかありません。本当に鉄道模型は一生ものですね。 塗装済みボディーは当時2,750円でした。 | ||
▲クハ111の前面です。カワイモデルは151系や157系の顔にホワイトメタルを使っていました。クハ111も同様で彫りの深さは表現できますが、肉厚があり私の技術では窓ガラスをはめ込むことができませんでした。前面部はシャープさという点ではカツミ製に軍配が上がると思います。 | ||
▲モハ111です。友人が戸袋窓とドア部分にHゴム表現の色入れをしてくれました。この色入れだけで俄然車輌が生き生きとしてきます。残りの車輌にも入れたかったのですが、友人の気まぐれでこれ1両に終わりました。 塗装済みボディーで1,850円という安さです。(ちなみに塗装済み完成品は4,870円) クハ111ともに台車、床下器械、ドローバーはカツミ製を使い完成させました。 | ||
▲パンタつきの方がモハ110です。モハ111と同じく台車、床下器械、ドローバーはカツミ製ですが、屋根上のパンタと避雷器はカワイ純正部品を使いました。カワイ製パンタはバーが細くなかなかリアルなでき具合でした。 片側にモーターをつけました。一個モーターですが、カワイ製4両プラス小高製ペーパーキット1両の5連はパワー不足もなく快適な運転が楽しめます。塗装済みボディーで1,850円でした。 | ||
▲カワイ製品の一番気に入っているドアの部分です。別張りパーツだと実感味が違います。 Hゴムに色差しをすればさらに引き立ったのですが、当時の私の技術では色差しは自信がありませんでした。 | ||
▲モハ110の動力部には当時鮮烈なデビウをはなった天賞堂のパワートラックを使いました。 インサイドギアとモーターの一体化は当時画期的なもので、ウォームギアの半田付けも不要になり、ギアボックスが密閉されてメンテナンスが容易になりました。パワーも抜群でさすが天賞堂と思ったものでした。 | ||
▲サロ110だけは、カワイ製品購入後1年ほどして、小高のサロ153ペーパーキットを流用して作ったものです。 灰緑色の等級帯を入れなければならないのですが、あいにくその塗料が品切れでそのままにしておいたところ、製作後数年して、実車の等級帯が廃止されてしまい、自動的に?帯を入れなくて済んだという裏話つきの車輌です。 普通車だけの4連にサロを組み込むと編成にアクセントがでます。当時活躍した宇野線の四国連絡快速のイメージを狙ったつもりです。 | ||
▲サロ110の屋根部分です。分散式クーラーと千鳥配置のベンチレーターがにぎやかに並んで、グローブ形のベンチレーターが単調に並んでいるだけの普通車より細密感があります。 | ||
▲全車勢揃いです。5両全部揃えても15,000円以内で製作できました。そして30年近くたった今でも現役なのですから、鉄道模型とは本当は安いものなのかもしれません。 |
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