このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

中村精密・プラスチック製客車キット 昭和51年製品
相変わらず当鉄道は資金難で、カツミの20系客車がほしかったものの、編成をそろえ機関車を調達するだけの金もなく、模型店に通ってはショーケースを眺め、早く働いて稼げる大人になりたいと思う日々が続いていました。
ペーパーキットは作ってみたものの、組立、サーフェーサー塗り、紙ヤスリでの研磨、塗装と恐ろしく手間がかかる工程。出来上がったものの技量の低さから完成品にはとうてい及ばないできばえ。
そんなころ、TMS誌上に、今度
中村精密から出される客車プラキットの広告が目にとまりました。
当時、カツミや宮沢の完成客車が4000円〜5000円するころ、台車、ガラス、連結器までついて1990円の客車プラキットは魅力的でした。1990円という価格設定に苦心のあとがわかります。しかもボディーはプラ成型ならではのかなりシャープなできばえです。さっそく当たりさわりのないスハ43を買い求めました。
茶色い扁平な箱にパーツが入っていました。セットの部品だけで、塗装も不要で客車一両が組み上がってしまいます。
1990円という価格は、鉄道模型のキットとみた場合はお値打ちですが、プラモデルと考えた場合は少し割高な感じがしました。そう思うくらいパーツは少ないのでした。これなら小学生でも組めそうです。
案の定、組立は楽でした。ボディーパーツは、茶色の成型部品でできているため塗装は不要ですが、あまりに安易すぎるので茶色の塗料を吹き付けました。それでも1時間もあればきれいに完成してしまいました。
中村精密のプラキットシリーズはこのほか10系・44系も発売されました。私も第二弾として、マシ35を購入しました。それなりに人気はあったようですが、やはり当時のHOモデルの主流は真鍮製で、プラ製品は一段低く見られていましたから、数年で姿を消していきました。
私にとって、プラキットの組立はあまりに簡単すぎて、かえって拍子抜けしてしまい、2両作ったのみで、そのあとまたペーパーキットの組立に戻っています。

▲中村精密プラキット組立第一号スハ43です。ペーパーキットの手間に比べると、何十分の一という時間で、しかもきれいに組み上がってしまいました。キットの中には連結器、窓ガラスまで入っていて、完璧なキットを販売する中村精密の意気込みが感じられます。
ただし窓ガラスもプラ製で、その平面製には違和感がありましたので、普通の塩ビのシートを貼り付けました。ボディーのディテールも良好です。
▲第2号がマシ35です。こちらもディテール良好です。細身のウインドヘッダーなどとてもシャープな仕上がりです。ペーパーキットではとてもこのようにはいきません。窓枠やサボ受けの繊細さもさすがプラ成形ならではだと感心しました。窓ガラスは、宮沢製181系こだま形専用のブルーシートを貼りましたが、旧型客車には豪華すぎたようです。
▲屋根は塗装をせずにプラ成形そのままの色です。しかし、いかにもプラそのものといった感じで、少し安っぽい気がします。やはり屋根もネズミで塗装した方がよかったとあとで後悔しました。
ベンチレーターもプラ製ですが、羽根の中が空洞になっていて,、よいできばえです。
ちなみにプラ製ホロも良好な仕上がりで、当時ゴム製ホロ(カワイ製)が発売されていましたが、見栄えは格段に上です。ホロは20個入って600円で別売されていましたから、その後のペーパーキットにも使っています。
▲床下器械はダイカスト製です。プラボディーだけでは軽すぎるので、床下器械をダイカストにすることで重量をかせぎました。
台車もダイカスト製に見えますが、プラ成型です。べーカーカプラーが付属していましたが(復元装置まで付いていた)当鉄道の仕様でカツミのドローバーの換えました。
▲TR47台車もプラ製。ダイカストに比べ重量感がなく、少し不安な気持ちになりました。ただ彫りの深さは申し分ないです。床下器械には「NAKAMURA」の彫り込みが見えます。NP16とは、「中村のプラスチック製の16番モデル」の意味です。

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