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第52回 宮崎県畜産共進会
《肉用牛 種畜の部(予選)》

(2003.11.29)
宮崎県の畜産の祭典、「宮崎県畜産共進会」は、家畜の改良進度の確認と飼養管理技術の向上を図るとともに、一般消費者の畜産に対する理解を深めてもらうことを目的に、昭和24年から隔年毎に開催されている。

今回の第52回大会。種畜の部は10月3日〜4日の日程で、串間市の南那珂児湯畜連で開催されたのだった。その模様をお知らせしたい。
《まずは予選!!》
本番に先立ち、まずは県内各地区で予選が開催される。県共とは言っても、牛を生産する農家さん個人の戦いではない。個人の飼養技術だけではなく、各地域の改良・飼養レベルについても審査するものであり、農協等々、関係者も気合いが入っているのである。チャンピオンをねらって「これは!!」という牛を選び、郡(=地区)の代表牛を決定するのが予選だ。

宮崎県内は、家畜市場の所在によって北から高千穂町等の西臼杵、延岡市・日向市等の東臼杵、西都市・高鍋町等の児湯(こゆ)、宮崎市等の宮崎、都城市等の北諸県(きたもろかた)、小林市等の西諸県、日南市・串間市等の南那珂の7つの地域に分けられる。

児湯地域の予選について見ていただこう。
自分の測尺の順番が近づいている。角や蹄に墨を塗り、ブラシをかけて毛並みを整える。手入れに余念がない。
それぞれの部門に出品するべく養われてきた牛たちは、審査員によって測尺、体重測定、栄養度審査、外貌など審査され代表が決定されるのだ。

県共での肉牛の種畜の部は1〜3類まである。で、まとめてみた。
       1類:生後12ヶ月以上17ヶ月未満のめす
       2類:生後17ヶ月以上22ヶ月未満のめす
       3類:母牛と娘牛のセット
  (これだけでなく脂肪交雑や牛の年齢、分娩間隔など厳しい条件が設定。
   ちょっとややこしいので、今回は割愛させてください。)。         

上記審査基準についても、ある一定以上の範囲に収まらないと入賞上位に入ることはできない。例えば栄養度は身体の各部(図1参照)を触診して決定するのだが、表1で栄養度7(・・・ちょっと肥えているですね)になると、どんなに牛が良くても優等2席までしか入賞できないといったことがあるのである。

区分やせているふつう太っている
栄養度
(図1)牛の触診部位
(表1)牛の栄養度
それでは、予選の模様を御覧いただこう。
専用の器具で体高をはかっているところである。き甲部から垂直に下ろした高さを見ている。
登録審査員の資格を持つ児湯畜連の職員、県家畜改良事業団の職員による栄養度の決定。併せて外貌審査も行われる。
出品牛をより立派に見せるため、立たせ方まで牛にしつける。そうまでさせるほど郡代表牛に選ばれると言うことは名誉なのである。肢をそろえて首をあげて・・・。
そして厳正な審査の結果、郡出品牛が選出される。結果は下の通りだ。
JAの広報へ掲載するため、郡代表を受賞した牛の記念撮影が行われる。心なしか、広報担当の職員のシャッターを押す指にも力が入るようだ。
1類:ゆりこひめ号(都農町の黒木峰義氏、茂福−糸秀−誠隆)
    まつはるさん号(新富町の松本司氏、茂福−糸弘2−秀安)
   まゆみ10号(都農町の長友良昭氏、福桜−糸秀−長久)

2類:まみ8(都農町の長友浄氏、福桜−糸秀−長久)
    くろきひめ5号(都農町の黒木忠雄氏、糸秀−長久−秀安)
    はるな号(西都市の横山武士氏、安平−隆美−糸秀)
    しょうこ号(新富町の森山延幸氏、福茂−糸秀−隆桜)

3類:ともこ74号(川南町の市来原覚氏、母・隆桜−糸秀−茂金)
   さくら号(娘・安平−隆桜−糸秀)
結果はJA尾鈴(川南町・都農町)の技術の高さを伺わせるものであった。万が一のため補欠牛も選考されるが、このメンバーで10月3日〜4日の 種畜本選 へと望むのである。

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