このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

宮崎駅の「椎茸めし」
(04.11.06)
よく、デパートやスーパーの催事で『全国有名駅弁大会』なんていうモノがある。私、結構そういう物が好きでして、買いもしないのにチラシを広げてにやにやしております。でもそのチラシ。よぉく見るとほとんどが九州島外の駅弁、なかでも東北、北海道の駅のものが半分以上を占めておりますね。

まあ、九州の駅弁がなかなかこういう場に出ない(他の地方ではどうなのでしょう?九州の物は出品されていますか?)のは“地元”であるからいつでも買える的発想で仕方ないのであるが、高速バスやら飛行機、自家用車でもって都市間移動をすることが多くなった昨今。あなたは九州の駅弁をどのくらい知っていますか?
と言うわけで、九州にも弁当を扱っている駅はいくつかある。Mの国の県庁所在地にある宮崎駅にもずっと昔から駅弁当を出している店がある。1913(大正2)年12月15日開業の“宮崎駅弁当”さんなのだ。ここで扱う弁当は幕の内弁当などがあるが、忘れてはならないのが“椎茸めし”である。

駅構内の販売所の他、駅を出て南側のアーケードの中に店舗あり。
先日、日南線に乗って串間まで南下する機会を作ったが、せっかくなのでこの“椎茸めし”を購入し、ホームに入ってきたキハ40に乗り込んだ。

キハ40 2069。先日このサイトで紹介させていただいた“ わかば ”号である。
列車は日向灘を進行方向左に見ながらとろとろと南下していく。伊比井駅を出ると山中へと入り込み、トンネルを抜けてひらけたところが北郷だ。北郷から列車は再度海を目指す。
弁当を開いてみた。

鶏ガラスープの炊き込み御飯の上、肉厚の椎茸が中央にどでんと横たわり、鶏そぼろと錦糸卵が脇を固める。おかずは煮物が中心で、卵焼き、肉団子の揚げ物が入る。んでもってデザートにリンゴ。

味は素朴の一言につきると思う。そして非常に美味い。スライスされた椎茸は十分に味が染みこんでおり、これが炊き込みご飯と異様なまでのマッチングを見せるのですね。

発売は1952(昭和27)年。以来ほとんど内容が変わっていないというこの駅弁を、私ちょくちょく購入しております。

値段の方は720円。この美味さでこの価格はかなり安い。これとは別に2段重ねの“上等椎茸めし”もあり、メインの椎茸めしの他に煮物焼き物揚げ物が入り乱れるという豪華版だ(これも1000円でおつりが来るという低価格)。
車窓に視線を向けると、名勝“七ッ八重”が見えました。

ごちそうさまでした。
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