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2002年 「秋」 由布院行
〈02.11.09-10〉
「紅葉の由布院へ」

晩秋。

紅葉の季節が今年もやってきた。
金鱗湖の朝霧を染める紅葉。初めてこの光景を見てから数えて4回目の由布院である。しかし今回はこれまでとちょっと違うのであった。



何が違うのか。

まず、旅館ではないが駅前のビジネスホテルという「宿付き」。
これまでは経費節減のための車内泊であった。寒さをしのぐための毛布2枚、手袋・マフラーなどの諸々の防寒具などを車に満載していたのだ。


そして、「ご飯が豪華(予定)」。
由布院に行っても毎回「ほか弁」もしくはコンビニで軽く済ますといったもので、わざわざ何をしにいったか解らない。せっかく社会人になったことだし、由布院できちんと食事をしようとなったのである。

3つ目に「デジカメ」投入。これまでの撮影は銀塩写真。
しかも、金がないためモノクロ一筋であったのだが、ついに投入である。
リコーの「DC−4U」という旧型機だが、電池の続く限り振り回せるのが頼もしい。

そして最後に、「アプローチ」。
今年の3月まで宮崎にいたこともあり、由布院に行くとなると必然的に6時間の運転を覚悟しなければならなかった。しかし、福岡からであれば、一般道で3時間半足らず。嬉しいじゃないか。運転時にかかるストレスの軽減。

11月9日の午前1時。福岡市西部のアパートを出発した。

春日市、筑紫野市を抜け、国道
386号を西進する。段々とフロントガラスの向こう側が暗くなってくる。さすがに対向車も少ない。
ヘッドライトをハイビームにし、アクセルを少しだけ踏む込む。


大分県に入る。
これから日田、天ヶ瀬と抜け、九州横断道路の中途にある「蛇越峠」へと向かうのだ。


ここからは朝霧に包まれる由布院盆地が望める。

「何でこんなに寒いの!?」

峠を下るにつれ雪は止む。

金鱗湖の近くにあるローソンで仮眠をとることにした。だが寒すぎるのだ。「あぁ、だんだんねむたくなってきたなぁ・・・。」といい感じな所でブルッと震えが来るのである。結局、余り眠れず。

明るくなってきたところで、路地裏へカメラを持って向かった。晩の天候のせいか、朝霧は発生していない。だが空気はキーンと冷たく、周囲の山腹からは、源泉の白い蒸気がもくもくと上がっている。

今回はいままで歩いたことのない場所を歩いた。

せまい道脇のお稲荷様。猫。まだ雪が積もる屋根。

雪の風景は初めてであったので新鮮である。軒先には大根が掛けてある。

土地の暮らしと一瞬だけ交差する。

午前9時を回った。亀の井別荘の喫茶「天井桟敷」へと歩く。

金鱗湖から流れ出す大分川には色づいた紅葉の屋根がかかっていた。今が見頃である。湖の周りや別荘の敷地内では、観光客が散策を楽しんでいる。
その中をカメラと三脚を担いだ人々が・・・。毎年、その数は増えていっている様だ。

「天井桟敷」。

ここは席に着いた途端に、何だか時間が止まったような感覚を覚えるのである。外と隔絶されているというか。

とにかく好きな店なのだ。
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しかし、星が出ていた空はずんずん曇っていき、九重町の水分峠を越えるときには雪が降り出したのだった。

思えば今年の天気はおかしい。
例年より冷え込む。そのため由布院の紅葉の盛りも何週間か早い。

峠を登り切り、水分峠のレストハウスに到達。とりあえず阿蘇の方面へと車を向けた。タイヤにはチェーンも履かせていない。が、雪は降り続いている。ゆっくりと進んだが、緩いカーブでスリップし、車は横を向いてしまった。

仕方がないので蛇越峠は諦めて盆地へと下る。
あいにく満席とのことで、しばらく店内で待つこととなった。雑誌を眺めていると程なく順番が回ってくる。

本当は一番奥にある円形のテーブルに座りたかったのだが、今回は窓側の席。だが、紅葉の庭が見渡せるのが嬉しい。

BGMはおばちゃん軍団のかん高い笑い声と、グレゴリオ聖歌である。相反する二つの音だが、妙に溶け込み合っているように思え、気にはならなかった。

とりあえず私はコーヒーにトースト、彼女はホットココアを頼んだ。
このトースト。ハーフサイズながら食パン2枚、クルミパン3枚で450円。
一見少し高めに見えるが、付いてきたジャムが絶品なのである。
この時はモモのジャム。あっという間に2人で食べてしまった。(このジャムは1階の売店「鍵屋」で買うことができる。)

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