このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

先ほど紹介させて頂いた“玉の湯”と大分川を挟んで向かい側に位置している“ 榎屋旅館 ”を今回の宿にチョイスした。

運が良くネット予約で部屋が確保できてしまったのであるが、宿の玄関のステンドグラスが強く印象に残っており、リーズナブルな部類に入る値段設定もあって、いつかは宿泊してみたい・・・と思っていたのだった。

この旅館の売りは何よりも湯の坪界隈の中心にあるというロケーションと宿に併設された“居酒屋 浩二”。そして象徴とも言えるステンドグラスであろう。

居酒屋については散々迷ったのであるが、結局利用できなかったのが心残りである。キレの光る豊後焼酎と山里の幸などをあわせたかったのであるが、柄にもなく家族サービスを優先した。

最近はペットの同伴も認めているという先進的な宿なのであるが、やはり見所はステンドグラスを見上げる本館。どのような具合かはこの項のtop画像を見て頂ければと思う。宿泊施設のある新館(?)は清潔感あふれ、客席も広々・・・。私たちが宿泊した部屋は大分川の流れを見下ろす北側の角のお部屋であった。

翌朝気が付いたのだが、嬉しい事に、北側の小窓からはやや冬枯れした由布岳を覗く事が出来たのは最大の収穫だったと思う。
・・・夕食までやや時間があるようであったので、金鱗湖までのちょっとした散策を愉しんだ。

紅葉は案の定、盛りを大分過ぎているようであった。そうとはいっても、一部の木では多少寝ぼ助であったのか、薄暮の中、鮮やかに色づいたものもちらほら観察できる。
その風景の中をふらりふらりとカメラを持って歩いた。

途中、今は使用されていない川魚の養殖場付近(金鱗湖近く)で、よく色づいた木を見つける。

天祖神社の横の小さな道は、イチョウの葉で真っ黄色。
それから金鱗湖をゆっくり1周する感じで宿へと戻った。

日はいつのまにか山の向こうに落ちてしまっている。水際でワイワイと騒いでいるのは今宵、盆地に宿を取った人たちだろう。

その声に驚いたのか、湖に住むガチョウ達がガァガァ騒ぎ出した。
宿に戻ると、ステンドグラスが迎えてくれた。

学生の頃、帰省途中に盆地を訪れた際、夜の闇に浮かび上がるように照らされたステンドグラスを見た。その頃の湯布院行と言えば、金鱗湖と湯の坪界隈、亀の井別荘の3点セットに終始していたように思う。今日も変わらない最強の3点セットであるが、それらばかりにレンズを向けていた事を少し反省した。色んな風景があるのだな・・・と、それ以降はあちこちと路地に足を向けるようになったのだ。

さて、いい加減体も冷えてきた。部屋に上がって一息ついたら、夕食を食べに食堂へと行きますかね。
はい。この通り。

鱒の刺身、胡麻とうふ・・・。

茶碗蒸し・・・ではないだろうけれども、ちょっと変わってた卵の蒸し物。

茶碗蒸しであれば溶き卵を使うだろうが、榎屋旅館さんのはきちんと黄身がまん丸と残り、その上に餡がかけられる。
この後、熱々揚げたての天ぷらも運ばれてくるのだが、やはり楽しみはメインの鍋である。火にかけられてぐつぐつ・・・とちょうど頃合いにも思えたので、“地鶏鍋”の蓋を取る。

はふはふはふ・・・と歯ごたえある地鶏をほおばり、しゃりしゃりと菜っぱを口に入れる。出汁は上品で、それまで散々食べたはずなのだが思わずご飯をおかわりしてしまった。おひつが空にならなければ、おじやに走ってしまっただろうか。

それにしても料理がうまい。朝食もなんて事無いメニューであったのだが、ご飯を3杯食べてしまった。

湯布院に来ると食べ過ぎてしまうが何故だろう・・・。帰宅後、いつも体重計の表示を見て、がっくりとしてしまう。

それから温泉につかって布団に潜り込む。だが、どうしても寝付けず、もう一度温泉に浸かり直す事にした。時間はとうに午前1時を回っている。結構な広さのある露天風呂は当然ながら独り占め。はしゃぎたいところだが、時間も時間である。

空を見上げつつ仕事の事など考えてみたりもしたが、すぐに止めた。旅行は非日常。日頃の悩み等々、持ち込むべきではない。
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