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湯布院行 「2009年晩秋」
毎年、11月の連休には何だかんだ言いつつも湯布院へと向かっている私たち家族なのだが、お決まりのパターンという物を申し上げれば、現地で宿泊する旅館の確保に四苦八苦する。予算の関係上、あまり高いところをチョイスできないのは言うまでもないのだが、なかなか尻が重くてですね。やっとかっと、・・・とパソコンに向かった時には旅行サイト上は当然ながら“荒野”となっているのだった。

ところがだ。今年はそうはならず、かなり早い段階から旅館を抑えることができた。というのも、9月に鹿児島の実家に帰省した際、焼酎で酔っぱらいながらネットサーフィンを堪能。当地の11月の連休の空室状況を確認したところ、以前から宿泊したいと思っていた宿が安値で出ていることに気がついたのだ。食事なしで一人当たり6000円くらいで宿泊できる。しかも、離れ・・・という条件に衝動的にクリックしてしまったのだ。

これには後で大きなドラマが待っているのだが、ともかくこの時点でその事に気づいてはいない。実家の面々も行くという事であったので、うひひひひ・・・・・と笑いながら予約を取ったのである。

それから2ヶ月。ともかくワクテカしながら11月の連休を待ったのは言うまでもないのだが、旅館の立地上、ちょっと盆地の中心からは離れている。夕食は食べに行ったとしても、朝食くらいは宿で食べたい・・・と思うのは当然ですよね。湯布院行の直前になって宿に確認を取ったのであるが、「申し訳ございませんが、対応できません。」と言われてしまった。こっちも「そんなことは無いだろう。昔から存じ上げてますよ。」と再度聞くのであるが、事情があってできないという。今更キャンセルを入れるわけにもいかず、「了解しました。わがまま言って申し訳ないですね。」と電話を切った。

そのようなもやもやを抱えながらの11月22日。鹿児島の実家からは九州の西側を走る大動脈“九州自動車道”で、宮崎の我が家族は国道10号線をマターリ・・・と彼の地を目指したのであった。
家を出た時は曇り・・・といった感じだったが、延岡市を過ぎ、国道10号線から分かれる国道326号線に入った辺りから雨が降り出す。昼食のために宇目の道の駅に到着した時には結構本降りとなっていた。

道の駅にはご存知の通り、地場の総菜などが売っている。私は大分の地鶏飯が大好きでしてね。醤油で炊いた鶏肉と炊きたてのご飯を混ぜただけのシンプルな物なのだが、最近は全国的にも紹介されるようになってきましたね。

その後、降ったり止んだりの雨の中を一気に大野から四辻峠を越える。もう30分も走れば由布市庄内の阿蘇野交差点に出る。ここのローソンで小休止。

湯平・・・と大分川沿いに走れば、ぼちぼち由布院盆地の入り口である。
結局、到着したのは午後3時を回っていた。家を出るのはちょっと遅かったしな・・・。

現地での待ち合わせの約束だった鹿児島組(両親、祖母)は無事に盆地観光を楽しんでいるようだった。まだ宿のチェックインまでは1時間ほどある。買いたい物もあったので、 亀の井別荘 の併設ショップ“
鍵屋”を覗くことにした。

毎度なのだが、ここに来ると何を買おうか長く迷うこととなる。旅館でも使用している小物類、柚子ごしょうや佃煮、地蜂の蜂蜜・・・といったオリジナルの食材。もちっと手持ちがあれば片っ端から購入するのであるが。
上は ことことや のジャム。たしか、この亀の井別荘と深い縁のあるお店だったと思う。それにしても、色々あるなぁ・・・。
今年の宿は上記のようにお得だ・・・と判断して、こちらに決めたのだった。

ホテル遊輪 ”。

特徴的な外観、離れと数多くの温泉(浴場?)。ギャラリーの併設など特徴ある旅館で、いつか宿泊してみたいと思っていたのだ。予約を入れる際に“素泊まり”という条件に戸惑い、別料金で朝食を付けられないか?とリクエストをし、断られたときにはぎょっ!?としたのだ。

チェックインの際、その理由を尋ねてみたのだが、これまで調理を担われていた方が体調を崩されたのだという。

今の様な素泊まりでの部屋の提供という形態を取ったのは今年の8月からというが、ちょっと複雑であった。
そうならば、夕食はちょっと贅沢をしよう・・・と思い立ったのである。予約を入れたのは上記の亀の井別荘の食事処“湯の岳庵”。

いやはや・・・。大学の時にランチで利用して以来となる。ちょっと値段は良いが、地元産の食材をふんだんに使用した料理がとてもおいしかったのだ。その後、何度か利用しようとしたことはあったが、タイミングという物が非常に悪くてですね(要は満席でして)。
もう11月も下旬ともなると、紅葉は終わりである。

ま、これもタイミングなのであろうが、少なくなったとは言っても、照らし出されるモミジの葉は美しい。建物のガラス窓から漏れる灯りもぬくもりが感じられて、どこか幻想的である。

この中庭の奥に湯の岳庵はある。

土地の農家が生産する野菜、季節の山菜、畜産物・・・。そういった物を元に献立が組み立てられていくのだが、いったい何を食べますかねぇ・・・。

のれんをくぐると大きな盆ざるに盛られた野菜が目にはいるのだが、あぁ、気分が盛り上がりますよ。
外は小雨なのだが、11月下旬の由布院盆地は日没と共にぢっ・・・と冷え込んでくる。

種々、料理はあるのだが、こうなればやはり鍋物が良いだろう・・・という事となった。

注文したキノコ鍋、豊後牛のすき焼きが運ばれてくる。

鍋物にはこの他、湯布院らしいというか、地鶏鍋、スッポン鍋もあるのだが、本当のところを申しますれば、小心者の私です。財布の中身と相談・・・という事が頭に浮かびましてね。キノコ鍋か地鶏鍋でも・・・と思っていたのだった。

だが、親父様の鶴の一声ですき焼きを二人でつつくこととなる。

後で嫁から聞いたのであるが、母から「あんな贅沢品を注文する大人に育てた覚えはない・・・。」と言われていたらしい。・・・濡れ衣だと言ってもきっと無駄なのだろうな。
というわけで、私ら以外が食べていたキノコ鍋も色とりどりのキノコが投入され、見た目も美しかったのだが、やはり豊後牛でしょう(爆)。

銘柄牛を食べる機会というのがそうそうないのですが、上質な牛肉の脂の甘さというはとろけそうです。卵にからめるとより濃厚になって、飯が進みます。
夕食を堪能した後、宿に戻るのであるが、その前にやっておかなければいけない事項があった。そう。朝食の確保である。

ちょっと前までは夜間の買いだしと言えば金鱗湖近くのローソンと、駅前のファミリーマートくらいしか無かったのであるが、その後は色々と変遷があって、盆地の中心部にもう1店舗ローソンが進出してきていた(いつの間にか駅前のファミマが無くなっていたのにはびっくりしたが)。この他、スーパーも何店かはあるが、結構早い時間に閉店となってしまうので選択肢は少ない。

朝食だけでなく、晩に部屋で飲む酒、つまみも確保する。久々にライトな大分麦焼酎を飲みたくもあり、ふくよかな風味が特徴の大分の地酒も気になる。ただ、最近のコンビニというのはどうしてそうなのですかね。あまり土地の酒というのを置いていないことが多い。ま、焼酎については県内大手の銘柄はキチンと置いてあるのですけれどね。
宿に戻ると真っ暗な空に玄関のフロントガラスが浮かび上がっていた。

ホテル遊輪は盆地を囲む山の斜面にあり、その山を上るようにそれぞれの離れに行く。我々は子供も含めて7人という利用であったので、一番奥にある棟であった。3部屋もある豪華な離れ。これで一人当たり6,000円とは・・・。
その後、談笑をしていたのであるが、頃合いを見て温泉に浸かりに出る。

露天は残念ながらどこも利用中であり、仕方がないので大浴場に浸かる。今回はせかせか・・・と動き回っていないこともあり、あまり疲れていない気でいたのだが、じんわり・・・と湯布院の湯が染みこんでいる。

その晩はホットカーペットで暖まった布団のせいもあったのだろう。あっさりと寝付いてしまった。非常に快適であった。
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(09.12.29)

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