このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

翌朝、夜が明けない内に布団を抜け出した。言うまでもない。前の晩に浸かる事のできなかった露天風呂を満喫するためである。

二つ、三つ・・・と堪能したわけであるが、湯に浸かりながら空を見上げると“もや”の向こうに星が見えている。雨の翌朝には濃い霧が発生することが多いので、“朝霧の盆地”が最高のシーンが期待できる。

テントの中に設けられたジャグジーに長く浸かっていたのだが、いつの間にか空が白んでいた。さっそくカメラを持って散歩に出ることとする。
今回は盆地の西側から金鱗湖を目指した。

空気は冷たかったが、霜が降りるほどではない。途中途中で立ち止まってはシャッターに指をかける。現地の生活空間を抜けるような撮影スタイルはいつものことなのだが、観光の散策ルートからは大きく外れた道を歩く・・・というのは少々慎重になる。朝も早いし、はしゃいだり、どたばた(ま、一人なのであり得ないのですけれどね)するわけにはいけんしね。

側溝の上を蛇の様に這うパイプの継ぎ手からは湯気が上がっている。源泉と旅館を結ぶ温泉のパイプだろう。民家の際を通った時には味噌汁の良い香りが漂ってきた。うぅむ・・・。先に朝食を済ませてきた方が良かったか・・・。
途中、飼料作物が茂っていた畑があった。

湯布院は養牛の町であり、先に鳥取県で開催された 第9回全国和牛能力共進会 へも大分県の代表牛として地域から出品がなされている。由布岳の斜面に広大な放牧場が広がっており、別府から鶴見岳を越えて下りてきたときにも草をはむ黒毛和牛を見ることができるだろう。

晩秋ともなるとぼちぼち枯れ上がってもいいのかな・・・と思ったりもするのであるが、おそらくスーダングラスか。その日必要な分だけ刈り取って牛に与えているのでしょうね。
佛山寺から津江の小道を通って亀の井別荘の敷地に入った。

昨晩、照明に照らされて闇に漂っていたモミジはしっとりと霧に濡れている。
旅館の庭を抜けて、霧で何も見えない金鱗湖畔を歩いた。天祖神社の大銀杏もすっかり葉を落とし、いつもなら見られたはずの黄色い絨毯は無かった。

・・・下ん湯へ。

しばらく浸かっていないな・・・と思いながら石の階段を下りていったのだが、ちょうど温泉の入り口の辺りにある洗い場に、おそらく県の委託を受けてであろうけれど、川の生態調査をされている調査員がいらっしゃった。加工したペットボトルを川に沈め、しばらく経ってから引き上げると中には魚が入っている。

何の魚かは分からないけれど、その度にデジカメで記録を取られていた。
来た道を引き返して宿へ戻る。

ちょうど1時間くらいであろうか。空腹はピークに達しており、コンビニのおにぎりがとてもうまく感じられる。その間、だんだんと霧も山を上がっていき、チェックアウトの10時には青空をバックに由布岳が笑っていたのだった。
その後、両親達と別れ、もう少し盆地を散策することとした。

天然酵母のパンで有名な“まきのや”でレーズンパンでも買おうと思ったのだが、残念ながら売り切れ・・・。仕方がないので、何か面白い物はないかな・・・と湯の坪の界隈を歩く。
ステーキ重で有名な“角柱本店の”建物の一部に豆菓子の店舗が入っていたので、覗いてみることにした。

どれを選んだらよいのか分からないくらいに多種多量の豆菓子が並んでおり、それらのほとんどを試食することができる。
大豆、落花生、アーモンドと味もスタンダードなものから意表を突く物まで揃っており、なおかつ値段も手頃である。職場への土産はここで購入することとした。

豆吉本舗 ”というお店なのだが、豆菓子専門・・・というのは見かけたことがなく、てっきり湯布院オリジナルだ・・・と思いこんでいた。調べてみると、全国の観光地に展開がなされているようですね。

それが悪いとは言いません。いやはや。面白いな・・・と思った次第です。



その後、運転の最終日を目前に控えていたトロッコ列車TORO-Qを南由布駅の界隈で迎える。 デビュー の時から見続けてきた観光列車だっただけに寂しい物である。おわかれ・・・の理由は使用するキハ58系列の老朽化に因る物だそうだが、個人的には多くの観光客に愛された列車であると感じている。可能であれば後継車の登場を願いたい物ですが、JR九州さん。いかがでしょうか?

駅で何枚か撮影をし、再度由布院駅への鉄路を戻るTORO−Qを見送った。

さて、宮崎まで大体5時間くらいのドライブか。気合いを入れて帰るとしますかね。
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