このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「伝えよう熱い思いを 示そう宮崎牛の力を 目指せ日本一」

それが、“
第9回全国和牛能力共進会宮崎県推進協議会”がこの鳥取県大会に向けて掲げたスローガンである。 先日 、宮崎県代表牛の選考会の様子をアップさせて頂いたが、その中でも紹介させて頂いたとおり、前回の共進会(岐阜県大会)では健闘するも、隣県の鹿児島県勢に完全にしてやられた結果となった。雪辱を晴らすため、県内各地域の畜産関係者が平成19年10月に向けて、努力と技術の研鑽を重ねてきたのだ。

本大会“全国和牛能力共進会”は既に紹介したとおり『和牛のオリンピック』だ。この式典での上位入賞がそのまま農家の名誉や、産地の名声を高める事になる。そのため、全国38道府県から494頭の和牛が出品され、県の代表として“第9会全国和牛能力共進会鳥取県大会(以下、鳥取全共)”の4日間の会期に臨むのである。

この鳥取全共。私も後学のため、運良く参加する事が出来た。前回の岐阜全共は当時の職場の内部事情で行く事が出来なかったので、私にとっては人生初の参加となる。開催地である米子市での宿泊確保に出遅れてしまったために、宿を探すだけでかなりの労力を費やしたのだが、何とか米子駅前という絶好のロケーションに陣取る事ができ、平成19年10月11日の早朝、宮崎空港の前に立ったのであった。

ご存知と思うが、宮崎から鳥取へと向かうにはあまり交通ルートの選択カードが無い。旅行会社に選んでもらったルートは「一度、大阪まで出て新幹線で岡山まで向かい、伯備線で山越え」というもの。6時間を要する壮大な旅路だ。

午前8時に宮崎空港を離陸。接続に余裕が無く、昼食の確保等々、大なり小なりのハプニングを抱えながらも、午後2時。山頂が雲にすっぽり覆われた大山を背負った米子駅に到着した。

全共は9つの部門で構成されている。大きな区分は種畜(繁殖用)と肉畜の2つであるが、それぞれの出品牛の月齢や審査の目的によってさらに細かく細分化される。以下にまとめてみると・・・、
出品区出品区分生後月齢出品単位
第1区若雄の部15〜23ケ月齢単品
第2区若雌1の部14〜17ケ月未満単品
第3区若雌2の部17〜20ケ月末満単品
第4区系統雌牛群14ケ月以上群(4頭)
第5区繁殖雌牛群3産以上の産歴群(4頭)
第6区高等登録群14ケ月以降母、娘、孫娘群(3頭)
第7区総合評価群種牛群17〜24ケ月末満
肉牛群24ケ月未満
種牛群(4頭)
肉牛群(3頭)
常8区若雄後代検定牛24ケ月末満群(3頭)
第9区去勢肥育牛24ケ月末満単品(2頭程度)
となる。

大まかに説明すれば、だいたいこんな感じになるのではないか。


 ・第1区・・・各県の次世代を担う種牡牛の比較

 ・第2区〜第6区・・・各県の繁殖牛の改良速度、飼養技術の比較。
              (※このうち、第4区については、本大会のスローガンで
                ある 『和牛再発見』が示すとおり、各県の和牛が
                連綿と受け継いで来た系統を見直す意義を込めて、
                雄系統であれば始祖牛の遺伝子保有20%以上、
                雌系統であれば始祖牛の生年が昭和50年以前と
                厳しい制限が付く。)

 ・第7区・・・「総合評価」という区分が表すとおり、各県で現在主力の種牡牛
        について、産肉性、繁殖性の遺伝能力を見る(ただし、種牡牛の
        生年が平成9年10月1日以降)

 ・第8区・・・各県の将来が期待される種牡牛候補牛の遺伝的能力を測る(やはり
        種牡牛の生年について、平成12年10月1日以降という制限)。

 ・第9区・・・各県の主力種牡牛の産肉性の比較(ただし、父牛は平成7年10月
        1日以降の生まれ)。


さて、これから鳥取全共の紹介に入っていくが、この共進会の全貌のうち、私が見る事が出来たものについて、項目立てて紹介していこうと思う。
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第9回 全国和牛能力共進会 (鳥取県大会)
(07.10.20)

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