このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

今回取った宿は“ カントリーイン 麓舎(ふもとや) ”だ。

昼間はレストラン“夢鹿”で食事を提供していることもあり、利用された方もいらっしゃるかと思う。

事実、私も 一度 、ここを利用したことがある。落葉樹に囲まれたお店の雰囲気も良いし、料理も味、価格設定と良心的。コストパフォーマンスの高さを感じだのだ。
今のように立ち寄り散策型の観光が盆地に定着する前からの宿であるので、施設としては古い部類に入るかも知れない。立地や料理の味を考えるとその様なことなどどうでも良くなってしまう。

階段、2階のミニロビーには本棚が置いてあって、まぁ大量の本が並べられている。その中にかつての空想の森美術館の館長であった高見乾司氏の著書があった。湯布院にあった美術館を閉められ、西都市茶臼原に活動拠点を移されてからの著作であるが、それを部屋に持ち込んでしばし読みふける。空想の森美術館にあった九州の古い神楽面の一部は現在、太宰府の九州国立博物館に収蔵されているが、その仮面群が壁一面に飾られていた湯布院の美術館はただただ言葉を失うばかりであった。それまで興味も湧かなかった地域が受け継いできた祭に興味を持つようになったきっかけがあの美術館だ。まぁ、知識も行動も圧倒的に少ないな・・・と言うことを今も感じているのだけれども。

ページをめくっていると、そのような数年前の記憶が甦ってきた。
気がつけば、すっかり日も落ちていた。そろそろ夕食の時間でもあったので、家族揃って階段を下りる。別棟となっているレストランへと向かったのだった。

かすかに太陽の光が残っており、また、ウッドデッキを照らす照明もあったことから、何とか手持ちでの撮影ができたのだが、敷地内に植えられた木々の深さもあって、非常に良い雰囲気。
前菜の鯛のカルパッチョチョ。豊後ならではのカボスの酸味がさっぱりして好感が持てた、

よくよく思えば、湯布院で洋食を食べるというのも久しぶりだな・・・と思う。もう少し冷え込めば「鍋じゃないと・・・。」なんて思うのかも知れないが、こういうのもたまには良いのではないか。
野菜のポタージュ、そしてメインディッシュのステーキとディナーは続く。

食べながらレストラン“夢鹿”の店内を見渡す。照明が落とされてグッとムードを増した中で宿泊客が食事を楽しんでいるのだが、何かのお祝いなのだと思うが地元の方の利用もあったようだ。

それにしても、フィレのステーキ。柔らかく、醤油ベースのソースも良い味を出していて非常にご飯が進む。
夕食後、しばらく読書の続きを楽しんだ後、温泉に浸かることとする。幸い、露天風呂の空きがあったのでゆっくりと入浴。

暖冬のためか、思ったほど冷え込みが無いので翌朝の朝霧は期待できないだろうか。首までじっくりと浸かり、静かな盆地の夜空に湯気が上って行くのを見上げていたのであった。

温泉から上がって部屋へ戻ると、昼に歩き回ったせいか、子ども達は眠っていた。妻もウトウト・・・している。かくいう私もベッドに潜り込んで本を読んでいたのであるが、いつの間にか眠ってしまっていたのだ。
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